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一発逆転を懸けた男の物語。虚しさ溢れるラストに思い巡らす。『喜望峰の風に乗せて』

2019年の「映画初め」は、『喜望峰の風に乗せて』でした!

実は去年の映画初めは『キングスマン:ゴールデン・サークル』でして。
奇しくも2年連続でコリン・ファースが出演している作品を、年の初めにに鑑賞していることになりました。

航海に出た壮年の男の物語、どのような冒険が待っているのでしょうか!
相変わらず前情報ゼロで観に行ってきました。

リサ

タイトルがタイトルっぽくなくて全然覚えられないのは私だけかな・・・?

喜望峰の風に乗せて(The Mercy)

監督 ジェームズ・マーシュ
脚本 スコット・Z・バーンズ
出演者 コリン・ファース
レイチェル・ワイズ
デヴィッド・シューリス
ケン・ストット
公開 2018年
製作国 イギリス

あらすじ

1968年、アメリカとロシアが宇宙を目指していた頃、イギリスは海洋冒険ブームに沸いていた。

そんな中、ひとりぼっちでヨットに乗って、9ヶ月間一度も港に寄らず、世界一周を果たすという”ゴールデン・グローブ・レース”が開催され、ビジネスマンのドナルド・クローハースト(コリン・ファース)が名乗りを上げる。
彼は、船舶用の測定器を開発して会社を立ち上げていたが、事業は行き詰まっていた。
いつかは自分の夢のために、開発した機器を使いたいと思っていたドナルドは、愛する妻クレア(レイチェル・ワイズ)に賞金を、まだ幼い3人の子供たちに名誉を送ろうと閃いたのだ。

アマチュアの果敢な挑戦にスポンサーも現れ、夢に胸を躍らせた町の人々に賑やかに見送られながら、ドナルドは家族の愛を胸に出発する。
だが、彼を待っていたのは、厳しい自然と耐え難い孤独だった・・・(公式サイトより)

1969年に起きた実際の出来事を基に映画化。
主演はコリン・ファース、監督は『博士と彼女のセオリー』ジェームズ・マーシュが務める。

男にはロマンとか、プライドとか、そういうものがある・・・のだろう。

まさかあんな結末になるとは!
本作は上映館の規模も小さく、ほとんど予告をみなかったので、いつも以上に前情報がない状態で観に行ったこともあって、よりラストの展開に驚きました

実話に基づいた物語だというのも、本編を観て知ったくらい。
実際にあった話だと思うと、切なさや、虚しさを感じますね。

男性も女性も、人間一度は何かを成し遂げたい、という思いが心の何処かにあると思うのですが、男性はその気持ちが女性よりも強いような気がしますね。
人生を懸けて「男のロマン」を形にしようとした、男の物語でした。

ほぼコリン・ファース独壇場なので、彼の演技のうまさも際立ちますね
『キングスマンシリーズ』はドタバタした作品なので、じっくりコリンの演技を堪能することってなかったので、こうして改めて彼の緻密な役作りをみると感心します。

一発逆転を懸けた男の挑戦!

本作は、アマチュアのセーラーである主人公が、単独無寄港世界一周航海のレースに参加して優勝を目指する物語です。

ビジネスがうまくいかなかったドナルド・クロウハートは、ある日、単独無寄港世界一周航海のレースのことを知ります。
ビジネスチャンスに繋げるため、家族への誇りのため、そして何かを成し遂げたいという思いから、素人ながらレースへの参加を表明します。

彼の挑戦は多くの人に支持され、一躍時の人に。
ところが、いざ船の製造を始めると、部品や資金の不足で船の製造が難航するんですね。
彼は世界一周の挑戦を踏みとどまりますが、周囲の熱意と後押しに負け、結局未完成の船に乗り、世界一周のレースへと旅立ったのです。

世界一周どころかヨットの操縦も未熟だったドナルドは、「海」という存在に圧倒されます。
開始早々、航行予定が狂ったドナルドは、ビジネスの失敗や周囲・家族の落胆に焦るんですね。

そして何をしたかというと、嘘の報告!
実際の位置よりもはるか先を進んでいると報告してしまうんですね。
ドナルドの航海の歯車が狂い始めます・・・

リサ

嘘はどのみちバレますから、ついたってしょうがないんですけどね。でも、わかっていても、人間ってなぜか嘘ついちゃうんですよね。

ドナルドは、なんとか実際の航行との差の埋め合わせをしようとしますが、もちろんうまくいくはずもなく。
やがて彼の精神は蝕まれていきます。

結末を知らなかったので、最初のうちはワクワクしながら観ていたのですが、嘘ついたあたりからなんとなく展開を察してしまい、そこからはずっと辛かったですね

背中を押したのは、周囲の人間

捨て切れなかった男のロマンと、人生の一発逆転を狙った男の苦悩、葛藤は、わからないでもないですね。
ラストなんか、退くも地獄、進むも地獄な状態で、おまけに大海原にポツンと1人ですよ?
頭おかしくなっても仕方ないですよ。

リサ

残された家族はどうするんだよ!という気持ちも湧きますが、もし自分があの状況にいたらドナルドと同じ選択をしていたかもしれません・・・

正直ドナルドの挑戦は見通しが甘かった部分もありますが、周囲が本人やその家族以上に盛り上がってはやし立てたのもどうかと思いますね。
ラストで奥さんが「夫が飛び降りたのか、転落したのかはわかりません。でも背中を押したのはあなた方です。」というセリフはグサっとささりました。

誰かの挑戦や勝負事に対して周囲が異常に煽るのは今でもよくみかけますけど、本人たちからしたら余計なお世話ですよね。
昨日まで応援していたのに、負けたら次の日から手のひら変えたように冷たくなったりね。
所詮他人は他人、ということですね。なんとも切ないですが。

私はあまり外野でワーワー言わない人間ですが、改めて無駄な煽りはしないと肝に命じておきたいですし、もし自分が煽られる立場になったとしても(笑)、振り回されることなく冷静な気持ちでいたいですね。

ドナルドの家族はその後大丈夫だったのかな?
調べてみたら遺族の基金が設立されて、資金的な援助は色々あったようですが。
残された家族だけは気の毒ですね。

コリン・ファース is 紳士

コリン・ファースの演技のうまさよ!
感情の表現が細やかで、常に役に気を遣っているのが伝わってきました。

航海中のシーンはコリンの演技力がこれでもかというくらい発揮されていましたね。
徐々に精神が蝕まれていくにつれて変化していく、表情や目線のやり方がうまいですよね。
コリンは脇役で出演するときはしっかりサポート役に回っているので(それもすごい)、主演で前に出てくると演技のうまさを改めて感じられていいですね。

劇中でコリンはどんどんやつれていくのですが、それでも気品が漂っているのがすごい
しかも、クライマックスはボロボロになって、完全に浮浪者なんだけど、それでもラストの表情は覚悟を決めた紳士の顔で、腰が抜けるかと思いましたね。
う、うつくしすぎやしません?(動揺)

主演のコリンだけでなく、脇役も実に豪華。
私はレイチェル・ワイズが久しぶりにスクリーンでみられて、本当に、本当にハッピーでした!!!(笑)
レイチェル・ワイズめっちゃ好きなんですよね〜超タイプ。

かわいい顔だけじゃなく、引き込まれるような表情の演技も変わらず素敵でした。
いやもう本当にかわいい。歳を重ねてもかわいい。

リサ

『ハムナプトラシリーズ』のレイチェル・ワイズは、かわいい以外の語彙力を失うくらいかわいいので、ぜひみなさんも観てください。女の私もリックになって守りたくなるくらいかわいい。

他にも、デヴィッド・シューリス、ケン・ストット、マーク・ゲイティス、サイモン・マクバーニーなど、イギリス俳優勢揃いなので、イギリス俳優好きさんにはたまらない作品かもしれませんね。

自然の真の姿を体感

本編の中盤から、ドナルドが大海原に繰り出すのですが、航海中のシーンがCGとは思えないほどリアルで怖かった

特に嵐に巻き込まれるシーンは、そのまま沈没するんじゃないかと思うくらい激しい波の連続で、ゾッとしましたね。
ここで映画が終わってしまうんじゃないかというくらい恐怖を煽る演出でした。
嵐を乗り切った後のシーンで、1人で海を渡るってすごい挑戦だな、と改めて感じるほど。

自然にはどうあがいても人間は勝てないわけですが、そんな自然へ挑戦して立ち向かう人はすごいですね。
航海士だったり、登山家だったり。

好きでよく山に登りますが、確かに頂上にたどり着いたときの達成感はたまらないんですよね。
自然に立ち向かっていく人は、利益だとか名誉のためじゃなくて、その向こうにある達成感を求めてひたすら突き進める人じゃないと向いていないのかもしれませんね。

総評

評価

ストーリー
(3.0)
キャラクター
(3.0)
キャスト
(5.0)
演出
(3.5)
映像・音響
(3.5)
総合評価
(3.5)

良かった点

  • わかりやすいストーリー
  • コリン・ファースの演技

実話ベースなのでストーリーが複雑じゃないのがいいですね。
コリンの演技もが作品に深みを持たせています。

悪かった点

  • 特になし

気になった点はなかったのですが、重い作品なので好き嫌いは分かれそうですね。

まとめ

ここを読んでいるということはすでにややネタバレをみてしまったようなものですが(笑)、もしまだ観ていない方がいたら、前情報なしに観て欲しい作品ですね。
実話を基にした作品ってだいたいストーリー展開が読めるのですが、本作は最後までどうなるのかわからないので、集中して鑑賞できます。

とはいっても、内容はやや重めなので、好き嫌いが分かれそうではありますね
鑑賞後は虚しさだけがじわじわと心の中に広がります。
エンドロールの最後は、波の音だけが2分くらい流れるのですが、それが余計に切ない・・・

2019年の映画初めは、しっとりした作品で幕開けとなりました。

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