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クライマックスのタップダンスは圧巻!水谷豊、構想40年の力作『TAP -THE LAST SHOW-』

『相棒シリーズ』でおなじみ水谷豊が、構想40年をかけて製作した『TAP -THE LAST SHOW-』を観に行って来ました!
数年前に『TOP HAT』の舞台を観劇してからタップダンスのかっこよさに目覚めたので、今回の作品の公開を耳にしてワクワクしていました。

しかも彼自身が主演・初監督を兼任されたようで、どんな作品に仕上がっているか気になるところですね。

TAP THE LAST SHOW

監督 水谷豊
脚本 両沢和幸
出演者 水谷豊
岸部一徳
六平直政
前田美波里
北乃きい
清水夏生
HAMACHI
西川大貴
太田彩乃
佐藤瑞季
公開 2017年
製作国 日本

あらすじ

1988年12月24日東京「THE TOPS」
ステージに置かれたドラム缶の上で、若い男が激しいタップを踏んでいる。
男は、宙高くジャンプするも着地に失敗。落下の際に倒れたドラム缶の下敷きになり、左足に大怪我を負う。
これが天才タップダンサー・渡真二郎(水谷豊)の、ラスト・ショウとなった・・・

それから、約30年後。
ダンサー引退後も、振付師としてショウ・ビジネスの世界に身を置く渡だが、酒に溺れ、自堕落な日々を過ごしていた。
ある夜、渡のもとを旧知の劇場オーナー・毛利喜一郎(岸部一徳)が訪れた。
約半世紀の歴史を誇る劇場「THE TOPS」も、時代の流れとともに客足が遠のき、いよいよ看板を降ろすことに。
その最後を飾るショウの演出を、盟友の渡に依頼しに来たのだった。
気乗りのしないまま、とりあえず参加したオーディションの途中で、席を立った渡の足を引き止めたのは、ある青年のタップの音だった。
MAKOTO(清水夏生)の踏むプリミティブなパワーに溢れたリズムに、渡の止まっていた時間が再び動き始めた・・・

錆びついた過去の栄光に浸るのではなく、これからトップに昇り詰めようという夢にやみくもな情熱を注ぐ、若手ダンサーとのパワフルで自由な舞台制作に意欲を燃やす渡。
MAKOTOをはじめ、渡の厳しいオーディションを勝ち抜いたRYUICHI(HAMACHI)、MIKA (太田彩乃)、YOKO(佐藤瑞季)に、JUN(西川大貴)も加わって、「ラスト・ショウ」に向けて、ハードなレッスンが始まった。ステッキが折れてしまうほど常軌を逸し、気迫に充ちた渡の過激に加速していく特訓に耐え、若きダンサーたちは恋人や家族、人生さえも投げ打つ覚悟でひたすらタップを踏み続ける。
究極の師弟関係は、ステージを降りて、それぞれに苦悩を抱えた若者たちの人生にも変化をもたらしていく。
恋人・華(北乃きい)との将来に自信が持てないナイーブなMAKOTOの心に、シビアなショウ・ビジネスの世界でしぶとく生き抜いてきた渡の言葉は、灯りをともした。
一方、未知の可能性に輝くMAKOTOのタップは、渡を新しいステージに押し上げる。
伝説のダンサーは、今この場所で再び自分らしい生き方を、自分の体験を次の世代へ継いでいく指導者としての夢を、見出しはじめていた。
ショウに懸ける想いをひとつに、渡たちはまだ誰も見たことのない世界へと挑もうとしていた―――。

2017年5月28日東京「THE TOPS」
幾多のトラブルを乗り越えて、遂に迎えた最後の夜。今ひと際輝く、不世出のアーティスト・渡がステージを見守る中、「ザ・ラスト・ショウ」の幕が上がる。(公式サイトより)

俳優として活躍する水谷豊が、構想40年をかけて製作した作品。
彼が20代の頃、ブロードウェイでみたショーに衝撃を受け、栄光と挫折渦巻くショービジネスの中で生きる人々の青春物語を描きたいと思ったことが始まりだったそうです。

共演には岸部一徳六平直政前田美波里など豪華な役者たちが勢ぞろいしています。

クライマックスのタップダンスは圧巻!

やっぱりタップダンスかっこいいな!!
タップダンスのシーンになると急にグッと引き込まれました。
足先への集中力が凄まじい。

ラストのタップダンスショーは実際に劇場でみたかったと思うくらい感動的でした。
クライマックスにドラム缶のダンスをもってきたのは納得でしたね。

ストーリーの中心となる、劇場の昔懐かしい雰囲気も好きです。
現代のお話なのに、なんだか昔の作品をみているような不思議な感覚に陥りました。
渡たちが乗っている車や、周りのファミレスも80年代のアメリカ風だったし、そういうのを意識していたのかな。

ただドラマパートは、色んなものを詰め込みすぎて中途半端になってしまったかなという印象です。
登場人物の生活背景や心理描写に注目させたいのか、タップダンスへの情熱に注目をもたせたいのかよくわからない。
作品全体の雰囲気は、『SING/シング』と『セッション』を混ぜ合わせたようでした。
どちらかというと『SING』に近い作品だったかな?

そしてそこはかとなく漂う相棒臭・・・(笑)

岸部一徳が出演しているのはまあわかりますよ、長年色んな作品で共演されてますもんね。

さらに脇役で六角精児小野了がいる!
2人が登場した瞬間隣に座っていた老夫婦が大爆笑してましたよ。
そうだね、相棒だね。
トドメを刺すようにホスト役で山中崇史まで出てきちゃって、もう完全に相棒じゃん!

テレ朝が協賛しているとはいえ、そこまで脇を固めなくてもと思いました。
それとも水谷さんが慣れ親しんだメンバーでやりたかったのかな?

タップに情熱をかける人々の物語

怪我をして引退生活を余儀なくされ、自堕落な生活を送っていた天才タップダンサー・渡
ある日、劇場支配人であるかつての友人・毛利に最後のショーを演出してほしいと頼まれたことから、渡の止まった時間が動き出します。

酸いも甘いも経験したベテランと、様々な悩みを抱えながらも夢を目指す若者たちの物語が繰り広げられます。

内容は大体求めていたものと同じで、それは満足しましたが、ストーリーが隅々まで丁寧に描きすぎてパンク気味だったかなと思いました。
夢を追う若者たちの苦悩や情熱をみせたいのか、落ちぶれてしまったかつてのスターの再起をみせたいのか、若者とベテランの魂がぶつかり合う様をみせたいのか・・・
どれもそれぞれちょっとずつ作品のテーマに盛り込まれているのですが、どれが1番伝えたいテーマなのかはっきりしていたらもっと面白かったのかもしれません。

最初にショーの演出を引き受けることを嫌がっていた渡は、徐々に指導に夢中になっていくのですが、その気持ちが切り替わった瞬間もなんだかぼんやりしていてわかりづらい。
MAKOTOという若手のタップダンサーの登場によって渡のハートに火がついたのはわかりますが、それならもっと2人で向き合うシーンが欲しいところですね。
オーディションでの初対面は、他の演者もいてなんだか2人に集中できなかったし・・・
最初はめちゃくちゃ怖い渡が徐々に楽しそうにショーの準備をしていくのですが、それもいつの間にかいい先生になってしまっていて若干置いてけぼりを食らうんですよね〜

MAKOTOが渡にとってキーパーソンになっていくのですが、いつのまにか大きな存在になっていたそうな描写で、わりと落ち着いているんです。
渡があいつはすごい、あいつにしかできない、とMAKOTOに対する思いを吐露するシーンがあるのですが、それもいきなりなんですよね。
わかるよ、彼のダンスに心が動かされたんだろうけど、その心理描写はもっと丁寧に描くべきだったのではないでしょうか。

一方、他のメインキャラクターたちもそれぞれに事情を抱えていることがわかってくるのですが、そんなに盛り込んで大丈夫か?というほどの情報量
抱える事情が、悲愴的でリアルなのはよかったですね。

ただ詰め込みすぎた結果、拾いきれなかった部分もあって、モヤっとすることもありました。
中でもジュンの靴の件は気になりますよね!
あれってやる意味ありました?
結局犯人はわからないし、ジュンが万引き未遂を起こしたせいで田舎に帰るのかと思いきや祖母の看病が理由だし。
JUNがちょっと変わった子というのは最初の登場で十分わかったし、あのシーンを作らずともRYUJIとMAKOTOを喧嘩させることってできたのではなかろうか。

これはMIKAの喘息も拾わないのかなと思ったらちゃっかりショーの時に回収してくれるし、ならJUNの話も消化してあげて!
あのシーンの渡はめちゃくちゃかっこよかったけども!

似たような作品に『SING』がすぐに思いついたのですが、あっちの方がまだ子供向けというか、エンタメ寄りの作品でしたね!

水谷さんが描きたかった内容はとてもよく伝わりましたが、どれも同じ割合で伝えようとした結果2時間で収まりきらなくて中途半端になってしまったのかな。

栄光と転落を知った元天才タップダンサーの再起

かつて天才タップダンサーとしてその名を轟かせていた
予期せぬ怪我のせいで踊れなくなってしまい、今じゃ酒びたりのどうしようもない男に成り下がっていました。
そんな渡が、最後のショーを演出することになり、少しずつ過去に止まっていた時が動き出します。

指導している姿は鬼そのもので、怒鳴っている姿がものすごく怖いんですよ。
ああベテラン指導者だ、と思わず萎縮してしまうほど。

そんな渡は若いダンサーたちと共に過ごすことで、徐々に丸くなっていく・・・
でも渡が急に態度を軟化させるから、時々置いて行かれるんですよね。
ダンサーたちを番号で呼んでいたのを突然名前呼びし始めるあたりから、渡は丸くなっていきますよね。
それもRYUJIが番号呼びにキレたのに対して「今はお前のことは呼んでない」とか屁理屈こくのですが(笑)、何故か翌日はみんなのことを名前で呼ぶ。
えっどこで心変わりしたの!なんか可愛いけど!

劇場の支配人である毛利が倒れて公演ができなくなりそうになった時は、必死で頭を下げたというのも事務員の萌がセリフで済ませてしまうんです。
そのシーンがみたかったよ!変わっていく渡をみたかったよ!

本編は渡だけでなく、色々なキャラクターを掘り下げているので、主人公である渡の人間性とか心理描写が少し物足りないんですよね。
もっと彼の内面がみたかったかな。

水谷豊は良かったが・・・

渡の設定は、実際に演技の世界でベテランである水谷さんの風貌や雰囲気にとてもよく似合っていて素敵でした。
いつも『相棒シリーズ』の温和な(でも時々突然キレる)水谷さんのイメージが強いので、ダークなキャラクターを演じている彼はとても新鮮に感じましたね
ぐったりした姿勢で、酒を浴びるように飲んでいる水谷さんは貴重です。

ただ他の役者さんたちが妙に舞台演技で気になる!(笑)
タップダンスのシーンをみると、ダンサーさんたちの棒演技はしょうがないと思えます。

でもなぜ六平直政まで演技が大袈裟なんだ!?
六平さんはいろんなドラマ出てるじゃない!
あれは役作りでああなのか、それとも本人の演技なのか、見知った役者さんだからこそ気になってしょうがなかったですね。

演技をとるか、タップダンスをとるか、難しいところですね・・・

タップダンスに引き込まれる!

ストーリーに関してかなりキツめにツッコミましたが、タップダンスに関してはもう何も言うことなし!
迫力があって、圧巻のショーでした。
よくまあ足があんな風に細かく動きますよね〜

ダンスに関しては、『座頭市』でも監修を務めたHIDEBOHが本作でもダンス振り付けの監修をしています。
ちなみに彼は本編に役者としても出演していますよ。

タップダンスを踊るシーンは結構多いので、タップダンスお好きって方はずっと楽しかったんじゃないでしょうか。
練習している時は足をアップにしているカットが多いので、その動きをみているとなかなか興味深いです。
オーディションのシーンなんかは、こっちまで息切れしそうなほどの勢いでしたね。

そしてラストのショー
これがよかった!
ただ舞台の上で足をかき鳴らすだけでなく、社交ダンスのような踊りと組み合わせたり、行進と組み合わせたり、色々な形のタップダンスが楽しめました。
ダンスってどんなストーリーが潜んでいるのか考えながらみると、一気に深みが増しますよね。

中でもMIKAのシーンがセクシーでお気に入りです。足最高。

欲を言えば、もっと稽古のシーンがみたかったな!
もちろんリアルなものではなく、あくまでストーリー展開の一つとしてですよ。

ショーの稽古をしているシーンってないんですよね。
個々に自主練しよう〜という話になったり、いざ稽古を始めようとするとトラブルが起きてしまったり。
この素晴らしいショーの裏側はどんなことがあったのか、覗いてみたかったです。
それこそ映画だから描ける部分だと思うんですよね。

良かった点

・タップダンスのシーン
・水谷豊の演技

タイトルにTAPってあるくらいですからね、やはりここは1番のみせどころですよね。
もっと渡のシーンがあってもよかったのよ。

悪かった点

・伝えたいテーマが混線してる

あれもやりたい、これもやりたい、の結果散らばってしまったかな〜

まとめ

水谷豊がとても力を入れて作ったのであろうことは、ひしひしと伝わってくる作品です。
ストーリーに気になる点は多かったですが、タップダンスの完成度はとても高く、クライマックスのショーはとても興奮しました。

ダンスが好きな人は観にいく価値が大いにありです。
キャスト的な意味でも『相棒シリーズ』好きさんは観るべき作品ですね(笑)

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