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殺戮兵器と称された男は、戦いから逃れることができるのか?『ランボー ラスト・ブラッド』

2020年1月に『カイジ ファイナルゲーム』を鑑賞して以来、6ヶ月ぶりに新作映画を映画館で鑑賞しました。
1月にカイジを観に行ったときは、世の中がこんな風になるとは思いもしなかったな・・・

コロナの影響もあり、新作映画は軒並み公開延期の嵐。
私はというと、残念に思いつつも、世の中がそれどころではなかったことや、なぜかこのタイミングで仕事が忙しくなった(ありがたいことですが)こともあり、すっかり映画漬けの日々からは程遠い生活を送っていました。

そんな最中、久しぶりにつけたテレビからちょうど流れてきたのが、『ランボー ラスト・ブラッド』のCMだったのです。

あれ、新作つくるよって、この前発表したばかりじゃなかった?と時の流れの早さに驚きつつも、ランボーのおかげで、久しぶりに映画館に足を運んでみようという気になったのでした。

『ランボーシリーズ』は、子どものころテレビで何度か観た覚えがありましたが、友人に勧められたことをきっかけに改めて見直してどハマり。
見た目のインパクトや、2作目、3作目の印象から、一般的にはぶっとび筋肉映画のようなイメージを抱かれていますが、実は悲しい男の物語なのです。

リサ

ちなみに私が行った映画館は、自分の座席の前後左右は誰も座れないように対策がされていました。

ランボー ラスト・ブラッド(Rambo:Last Blood)

監督 エイドリアン・グランバーグ
脚本 シルヴェスター・スタローン
マシュー・シラルニック
出演者 シルヴェスター・スタローン
パス・ベガ
セルヒオ・ペリス=メンチェータ
オスカル・ハエナーダ
アドリアナ・バラッザ
イヴェット・モンリール
ホアキン・コシオ
フェネッサ・ピネダ
パスカシオ・ロペス
リック・ジンゲール
ルイス・マンディロア
公開 2020年
製作国 アメリカ合衆国



あらすじ

最強の一人軍隊VS最凶のメキシコ人身売買カルテル
今、ランボー史上最高の頭脳戦が幕を開ける!

かつてアメリカ陸軍特殊部隊、通称グリーンベレーの兵士として、ベトナム戦争を生き抜いたジョン・ランボー。
帰還してからはPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされながらも、伝説の戦闘マシンとして、世界各地で戦いに身を投じてきた。

そんなランボーも今ではアメリカに帰国し、故郷アリゾナの牧場を営みながら、古くからの友人のマリアとその孫娘のガブリエラと、“家族”として平穏に暮らしていた。
ところが、自分を捨てた実の父親がメキシコにいると知ったガブリエラが、ランボーの反対も聞かず一人で危険な地に踏み込み、人身売買カルテルに拉致されてしまう。

怒りに燃えるランボーは、最愛の“娘”を救出し、一味への復讐を果たすため、元グリーンベレーのスキルを総動員し、戦闘準備を始める――。(公式サイトより)

戦いから逃れることはできない、悲しい男

ランボーはやっぱり戦いから逃れることはできないんだね・・・
このシリーズの特徴は、決してただのバトルものにとどまらない、悲劇的な物語にあると思うのですが、今作も悲しみの中でもがき苦しむランボーの姿が印象的でした。

後述しますが、ストーリーは突っ込みどころがいくつかあり、最高!とは言えませんが、ランボーの戦いへの葛藤は引き込まれるものがあります。
彼はいつも十字架を背負いながら戦っているように見えますね。今作も、十字架の上にさらに十字架を背負っているような悲壮感漂うランボーをみることができます。

シリーズのもう一つの見所である戦闘シーンは、まるで1作目を思わせるような戦いっぷりで、興奮しました。
順々に人が減っていって、最後に一番殺したいやつを残すというのは、過去作品でもありましたよね。ランボーは、実は結構根に持つタイプ。

大切な人と出逢っては、また失う日々

幾多にもおよぶ戦いを潜り抜けてきたランボー。
友人の農場を継ぎ、牧場経営をしながらレスキュー隊のボランティアをする日々を送っていました。

現代に生きるランボーってどんな感じなんだろうと思っていましたが、やはり世俗からは離れた暮らしをしていましたね。
牧場経営しながらボランティアってものすごく彼らしい。

物語は、ランボーが自分の娘のように世話をしていた女の子、ガブリエラの行動をきっかけに動き出します。
父親の行方を探しにメキシコへと一人で向かったガブリエラは、人身売買を生業としている組織に連れ去れてしまいます。
それを知ったランボーは単身メキシコへと乗り込むのですが・・・

ここまでのストーリー展開はかなり憂鬱になります。
ガブリエラは気の毒だし、気持ちもわかりますが、年齢の割には幼稚な行動をとるので、なんだかなあと。

どう考えても単身でメキシコに乗り込むなんて、危険すぎる。どうしても行きたければ、それこそランボーを用心棒として連れいて行けばよかったのになあ。

リサ

高校3年生だとああいうものなのかな?

正直、ガブリエラに対しては、自業自得でああなってしまったと思ってしまう自分がいたり。
あの展開も一種の教訓として伝えたかったのかもしれませんね。ただのファンタジーや娯楽映画に落とし込まないような脚本は、さすがスタローンといったところでしょうか。

その後はランボーの復讐のお時間
相変わらず戦いに特化した自身の才能を、今回も遺憾なく発揮し、ランボーは敵を追い込みます。

あまりの華麗な殺しっぷりに、心の中で実況中継したくなるのですが(笑)、弔い合戦だと思うと悲しいものがありますね。
ラストシーンで、ランボーは大切な人を失っても生きていくと誓うのですが、一人物思いにふけりながら椅子に座っている姿は切ないですね。

「ラスト・ブラッド」なんてタイトルがついているから、もしかしてランボー死ぬんじゃないか?と思っていましたが、なんとか生き延びていて、ちょっとほっとしました。
ランボーは死にそうで死なないのがまた辛いんですよね。仲間や大切な人は死んでしまうけれど、自分は命辛々生き延びてしまう・・・
死に引っ張られているような雰囲気漂うランボーですが、それをいつも跳ね除けてしまう強靭さが切ない。

ランボーはようやく己の運命を受け入れる

40年以上経っても戦争が終わらないランボー。
周囲にどれだけ戦争は終わった、前を向いて歩かなければならない、と諭されても、ランボーのなかに戦争が消えることはないのでした
殺戮マシーンとして国に鍛え上げられてしまったランボーは、自分では、自分の中の戦争を終わらせたいとずっと思っているはずなのに、戦闘シーンで妙に生き生きしているのが印象的
結局、ランボーにとって、戦いこそが己の存在意義を感じられるものとなってしまっているのかもしれません。

実際にかつて戦争へ繰り出されて、帰国後PTSDに悩まされて歳を重ねた方もいるでしょう。年月を重ねて、ランボーは当時の人々ではなく、過去戦いの中に身を投じた人々の代弁者となったわけです。

いつもどこか諦めながら生きてきたランボーでしたが、今回は最後の最後で、自分の人生を受け入れるという選択をするんですね。
大切な人を失い続けて、結局ひとりになってしまった、それでもそれを背負って生きていくのだ、と。
もう人生も終わりを迎えようとする中で、ようやくランボーは全てを受け入れることを覚悟したのかなと感じました。
それだけ彼にとって戦争は大きなものだったことが伺えます。結局前には勧めないけれど、受け入れることができたというのは、かなり大きな変化なのではないでしょうか。

戦いと人の死によってのみ、生きていることを感じられない男。なんて虚しく、悲しいことなのか。
今作は、ストーリーそのものには反戦要素はありませんでしたが、シリーズを重ねることで、ランボーという男そのものが、反戦の象徴のようなキャラクターへと変化していったようにみえました。

衰えることのない、戦闘マシーンとしての実力

さて、少し気分を変えて戦闘シーンについて語ります。
先ほども述べたとおり、今作はランボーが敵に立ち向かうというよりは、愛する女の子の弔い合戦のようなものなので、心からスカッとした気持ちを味わうことはできません
戦いに勝ったはずなのに、なんだか気分が晴れないといいますか・・・

とはいえ、相変わらずの戦闘スキルで敵を次々に倒していくランボーは、めちゃくちゃクーーーール!
ダメだと思いつつも、心の中で「はいきました!」と実況中継したくなるほど華麗な、殺しのテクニックに惚れ惚れしてしまいました。

またね、盛り上げ方が上手いんですよ。
序盤で、マフィアたちがランボーをぼっこぼこにするシーンがあるのですが、そこでは「おいおいランボー、お前どうしちまったんだ?」とランボーのやられっぷりに少しガッカリするんです。
そうだよな、ランボーも歳をとってるんだもんな・・・と。

ところが、ランボーが復讐をはじめるシーンから、徐々にその不安な気持ちがなくなっていきます。あれ?心なしか生き生きしてない?
そして、シーンが切り替わる直前。ランボーが練習で弓を射る。
ストン、ストン、ストン。的であるトランプすべての真ん中を射抜く。

このシーンが素晴らしい。ランボーの腕は一ミリも衰えていなかったことを、ここでようやく気づかされるわけです。
ゾッとしましたよ。

リサ

確約されるわけです。敵陣全員の死が。カッコ良すぎる・・・

1作目を彷彿とさせる、作り込まれた罠の数々。釘や落とし穴、爆弾など、どれも原始的なものなのですが、だからこそランボーの強さを思い知る。
構わず人の首をぶった切っていくランボーは、1作目の若かりし姿と重なるものがありますね。

本人が言っていたように、じわじわと死へのカウントダウンを相手に知らせていくのが、またたまらない。ゾクゾクする・・・
淡々としてみえるけど、実はナイーブでめちゃくちゃ根に持つタイプだよね、ランボーは。

クライマックスの盛り上げ方も、ファンの心をよくわかっている。
そこは弓矢ですよね?弓矢ですよね??と、ソワソワしていると、やっぱり弓矢でラスボスを射抜く。
両方を弓矢で射抜かれて、身動きが取れなくなったラスボスにどんどん近くランボー。
やっぱり最後はあれですか?あれでトドメをさすんですか?とさらに盛り上がる私の期待を裏切ることなく、ナイフでゴリゴリラスボスの心臓をえぐるランボー。最高の脚本だよ。

戦いが終わった後の余韻もいいですね。
他のアクション映画とは全く違う、渋くてどこか物悲しい戦いがシリーズらしくて、印象的でした。

リサ

ちょっとグロいんだけど、生温さを一切削ったリアルな演出がランボーらしくて好きです。
中盤で一瞬だけちょっとおしゃれな音楽流してたのが、めちゃくちゃお気に入りです。なーにおしゃれなことしてんだ!(笑)

総評

評価

ストーリー
(3.0)
キャラクター
(4.0)
キャスト
(4.0)
演出
(4.0)
映像・音響
(4.0)
総合評価
(4.0)

良かった点

  • シリーズの雰囲気をそのまま保っている

決してただの娯楽映画に成り下がらない、シリアス寄りの作品がシリーズらしくてよかったですね。
スタローンがまだまだ現役なのも嬉しい。
相変わらずムッキムキで体格がおかしなことになっていましたが(笑)、元気そうで何より。

悪かった点

  • ストーリーがやや粗い

言いたいことや伝えたいことはわかるのですが、ストーリーやキャラクター描写が妙に中途半端なのは気になりました。
途中で助けてくれた女性って必要だった?とか、そもそもその女性のところに行けば、ガブリエラを助けることができたんじゃないのか?とか。
ガブリエラの父親の、子どもを捨てた理由もしょうもな、という感じですし。(現実はそういうものなのかもしれない。)

リサ

ガブリエラの父親や、彼女を斡旋した女もついでにやっちまってくれたら、少しは気分も晴れたかもしれない・・・
そこをあえて殺さないのも、リアルを追求した結果なのかもしれませんね。

まとめ

大衆向けに振り切っていないストーリーが、『ランボーシリーズ』の良さを引き立てています。
反戦映画というわけではありませんが、相変わらず戦争について、生きることについて、考えさせられる作品でした。
あと女の子は一人で危険な場所に行かないこと!一人で生きていけないうちは、大人の言うことを聞くこと!
今作は、子どもの教育にもいいんじゃなかろうか・・・グロシーンがあれですが・・・

おもしろいというところまでテンションは持っていけませんでしたが、衰えることないランボーの天才的な戦いっぷりには引き込まれます。
腕っぷしでゴリ押すのではなく、いろいろ戦術を考えながら的に立ち向かうのが、ランボーらしいんですよね。

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