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難解な話と思いきや意外とあっさり風味。気楽にミステリーを楽しみたい人におすすめの『ラプラスの魔女』

アクション映画大好きな私。
たまには知的な映画も観ようではないか、と『ラプラスの魔女』を鑑賞しました。

東野圭吾原作の映画は意外と観ていて(むしろ小説を読んでいない)、『天空の蜂』、『疾風ロンド』に次ぐ3作目となりました。
この2作は作風が180度異なる作品でして、東野圭吾氏の引き出しの多さに驚かされるばかりです。
『ラプラスの魔女』はシリアスな雰囲気になりそうですね。楽しみです。

ラプラスの魔女

監督 三池崇史
脚本 八津弘幸
出演者 櫻井 翔
広瀬 すず
福士 蒼汰
志田 未来
佐藤 江梨子
TAO
玉木 宏
高嶋 政伸
檀 れい
リリー・フランキー
豊川 悦司
公開 2018年
製作国 日本

あらすじ

初老の男性が妻と訪れた温泉地で、硫化水素中毒により死亡した。
事件の担当刑事・中岡は、妻による遺産目当ての計画殺人ではないかと疑いを抱く。
警察からの依頼で事故現場の調査を行った地球化学の専門家・青江修介教授は、「気象条件の安定しない屋外で、致死量の硫化水素ガスを吸引させる計画殺人は実行不可能」と断定、事件性を否定した。

それから数日後。別の地方都市でも硫化水素中毒による死亡事故が発生、その被害者が前回の事故で死亡した男と顔見知りであることが判明した。
青江は新たな事故現場の調査に当たるが、やはり前回同様、事件性は見受けられない。
遠く離れた場所で同じ自然現象による事故が連続して起こり、被害者が知人同士だった・・・
この事実は、単なる奇妙な偶然なのか?
だが、もしこれらが事故でなく、連続殺人事件と仮定するのであれば、犯人は 【その場所で起きるすべての自然現象をあらかじめ予測していた】 ことになる。
そんなことは絶対に不可能だ。
未来を予見する知性=「ラプラスの悪魔」 など現実に存在するはずがない・・・

行き詰る青江の前に、1人の女が現れた。
彼女の名は、羽原円華。事件の秘密を知る人物・甘粕謙人の行方を追っているという。
怪しむ青江の目の前で、円華は、これから起こる自然現象を言い当ててみせた。
円華の「予知」に隠された秘密とは?甘粕謙人とは何者なのか?そして動き出す、第三の事件・・・
青江の想像をはるかに超える、おそるべき全貌とは!?
驚愕と衝撃の結末に向けて、彼らの運命が大きく動き始めた。(公式サイトより)

2015年に発表された東野圭吾の同名小説が原作。
東野氏の作家デビュー30周年記念作品でもあります。

監督は数々の話題作を世に出している三池崇史
主演は嵐の櫻井翔が演じています。

難解な映画かと思いきや・・・

『ラプラスの魔女』というタイトルは、物理学者のピエール=シモン・ラプラスが提唱した「ラプラスの悪魔」という概念からきていると知り、難しい話なんだろうなと身構えていました。
しかしいざ鑑賞してみるとそこまでややこしい話ではなく、実際はもっと単純なところにテーマがある作品でしたね
別に「ラプラスの悪魔」について知らなくても問題なかったです。

というか本作においては私が三池監督と相性が悪かったような気がします
三池監督は来るもの拒まずでガンガン映画を量産するスタイルは尊敬するんです。その一方で、あたりはずれが大きいので、私としてはバクチ感があってあまり映画館に観に行こうって思えないんですよねー・・・

今作は東野圭吾原作かつミステリーだったので、三池節はそこまで強くなかったように思います。
それでもところどころに三池さんの存在を感じるカメラワークがありましたね(笑)

にも

久々に映像作品でみた櫻井くんが妙に老けてみえたんだけど、もう36歳なんですね〜

ありえないけどありえるミステリー

現場は違えど、短期間で同じ手口で起きたふたつの殺人事件。
その事件を追う大学教授がやがて不思議な少女と出会い、事件に隠された大きな謎を知ることになるミステリー作品です。

事件を解決していくミステリー要素と、人間に全知全能を与えたらどうなるのか倫理的な部分に訴えかける要素がかけ合わさっています。

そもそもことのあらましは復讐劇から始まるので、正直事件の真相に関しては俗人的かなと
そんな感じなのか、とちょっと拍子抜けしてしまいました。

復讐劇でも大いに構わないのですが、「ラプラスの悪魔」に絡めてもっと複雑で抽象的な話になるかと思ってたんです。
最終的に人間に特別な力は必要なのか、特別な力がない人間は必要ではないのか、という倫理観を描く部分にもっていくための長い導入でした。

真相に辿り着くまでにはいくつもミスリードがあり、最後のどんでん返しは、なかなかのクズっぷりが発揮されていましたが、別に難しい話ではありません。

にも

「ラプラスの悪魔」について知らなくても問題なし!

全知全能の力を得た少年少女の行方

事件はありえない状況で起きていて、他殺とも自殺とも区別できない。
依頼を受けた青江は行き詰まっていると、一人の少女に出会います。
少女は円華といい、自身を「ラプラスの魔女」と名乗ります。

これは「ラプラスの悪魔」という物理学の概念からきています。

もしもある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができ、かつもしもそれらのデータを解析できるだけの能力の知性が存在するとすれば、この知性にとっては、不確実なことは何もなくなり、その目には未来も(過去同様に)全て見えているであろう。(1812年『確率の解析的理論』著・ピエール=シモン・ラプラス)

まさにこの言葉の通りで、例えば劇中にも登場しましたが、これらの知識と能力があれば自分で転がすサイコロの目や、こぼれていくジュースの軌道だってわかってしまうという考え方。
予知能力があるのではなく、計算に基づいて、すでに未来はきめられたものになるということなんです。

にも

この概念自体はそこまで難しくないような気がします。みなさんはどうでしょうか。

事件の捜査を進めていく中で、青江は国が密かに「ラプラスの悪魔」の力を人間に実装する研究を行なっていたことを知ります。
しかし青江はそんな能力は必要ない、未来がみえてはおもしろくない、と断言します。

ここが映画のメインテーマなんでしょうね。
クライマックスでの、「特別な才能のある自分におまえたちはふさわしくなかった、失敗作だった」という父に、謙人は「名を残せない人間なんて五万といるが、そんな人たちがこの世界を支えている」と返すシーンが印象的でした。

確かに「ラプラスの悪魔」の概念はかなり興味深く、なるほどな〜と感心しました。
けれどその力が備わったら人はやがて考えることをやめてしまい、むしろ退化するのではないかなと私は考えましたね。
知らないからこそ人は考え求め、進化したいと願うのではないでしょうか。

主演が食われてた?

主演の櫻井翔をはじめ、日本の旬・ベテランの役者が勢ぞろい。

やっぱりリリー・フランキー豊川悦司あたりの演技はすごいですね。
特に豊川悦司のクライマックスでの豹変っぷりはすごかった!

一方で主演であるはずの櫻井くんがやや食われ気味だったような気も
それこそ豊川悦司や広瀬すずの方が存在感が放たれていて、なんだか櫻井くんちょっと霞んじゃってたな〜
演技も可もなく不可もなくというような感じで・・・

クライマックスとかほぼ棒立ちだったもんなあ(笑)
ストーリーでの立ち位置も第三者的な感じだからしょうがないんですかね。

にも

三池監督の人脈って相当広そう。

唐突に現れる三池節

三池監督の作品は多くを観たわけじゃないので偉そうに言える立場でもないんですよね〜・・・
そんな三池素人でも感じる「三池節」があるわけですよ(笑)

とくに後半は監督が飽きたのか我慢できなくなったのか(笑)、独特な演出が多かったような気がします。
クライマックスの廃墟のCGはいかにも監督らしいデザインの廃墟ですね。

中でも一番「??????」だったのは、クライマックスでの豊川悦司の謎のズームイン!+効果音でした。
あれわざわざやる意味あったのかな?
廃墟やダウンバーストのCG演出は気合い入っていてよかったですけどね。

にも

スタイリッシュで独特の三池節は作品との相性が大きいのかもしれませんね。

総評

ストーリー
(3.0)
キャラクター
(3.0)
キャスト
(3.5)
演出
(3.0)
映像・音響
(3.0)
総合評価
(3.0)

良かった点

  • キャラクターの設定
  • わかりやすいストーリー

また知識が一つ増えました。

悪かった点

  • 主役が後半空気
  • 謎演出
  • さらっとしたストーリー

話の内容が優しいのは良かった点でもあります。
ですが、もう少し複雑な話のほうが見応えがあったかなとも思いましたね。

まとめ

構えていたよりもやさしい話の物語で、知識や理解力がなくても楽しめる娯楽作でした。
もうちょっと複雑なお話でもおもしろかったかな〜

にも

「ラプラスの悪魔」という概念にとても興味を惹かれました。

原作は未読なので違いがわかりませんが、原作を読んでいなくても大丈夫ですよ。

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