ようやく重い腰をあげ、今更ながら『機動戦士ガンダムシリーズ』を見始め、崖から転がり落ちるようにハマってしまった筆者。
わりといいペースでサクサクとシリーズを見続け、ようやく『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』までたどり着きました!
実は『劇場版 機動戦士ガンダムシリーズ』を観終わったあとに『劇場版 機動戦士Zガンダム』もきっちり三部作観たのですが、話の展開が早すぎて何が何だかよくわからなかったんですよね・・・
『機動戦士Zガンダム』は記事にするのは諦めて、改めてアニメシリーズをみることにしました。
とはいっても『逆襲のシャア』もなかなか難解な作品で、二回ほどみてようやく感想を書くことができました。
リサ
Index
逆襲のシャア
監督 | 富野 由悠季 |
---|---|
脚本 | 富野 由悠季 |
出演者 | 古谷 徹 池田 秀一 鈴置 洋孝 榊原 良子 白石 冬美 川村 万梨阿 弥生 みつき 佐々木 望 山寺 宏一 伊倉 一恵 安達 忍 藩 恵子 |
公開 | 1988年 |
製作国 | 日本 |
あらすじ
宇宙世紀0093年。シャア・アズナブルは新生ネオ・ジオン軍を率い、自らが総帥となって地球連邦政府対して再び戦いを挑んで来た。
シャアは地球の重力に縛られ自己中心的な支配を続ける人類を粛正するために、地上に隕石を落下させることで地球を居住不能な星にするための作戦を展開。
その暴挙を阻止するためにブライトやアムロが所属する地球連邦軍のロンド・ベル隊が出撃するも、小惑星5thルナの落下を止めることはできなかった。シャアは次の作戦に向け、かつてのネオ・ジオンの本拠地であったアクシズの奪還とルナツーに貯蔵された核ミサイルの奪取を目論む。
そして、作戦遂行に向けた見せかけの和平交渉のために、地球連邦政府との交渉の場となるサイド1のコロニー、ロンデニオンへと向かうのだった。一方アムロも、自身が開発に参加したνガンダムをアナハイムの工場で受け取り、その後和平交渉が行われるロンデニオンに到着していた。
ロンデニオンで連邦政府参事官の娘クェスと、ブライトの息子であるハサウェイに出会ったアムロは、コロニー内での休養中に、偶然にも和平交渉を終えたシャアと遭遇してしまう。
そして、シャアの言葉に動かされたクエスは、彼と共にアムロのもとを去っていくのだった。シャアは、ロンデニオンで連邦政府と交わした和平交渉を利用し、武装解除に見せかけたルナツーへの攻撃と、アクシズを強奪する作戦を実行。
ネオ・ジオン艦隊は、ルナツーへ壊滅的な打撃を与え核兵器の奪取に成功し、さらにシャア自身もアクシズを守る部隊を殲滅。
目的どおり、核兵器とアクシズを手中に収めた。第2の隕石としてアクシズを地球へ落とそうとするシャア。
それを阻止すべく行動を開始するアムロとブライトが率いるロンドベル隊。地球の命運をかけて、二人のニュータイプ同士による最後の戦いが幕を開ける!(公式サイトより)
1988年に劇場公開されたアニメ映画。
『機動戦士ガンダム』、『機動戦士Zガンダム』、『機動戦士ガンダムZZ』に次ぐ物語となっています。
公開30周年を迎えた今なお根強い人気を誇る作品で、2018年6月22日には4KリマスターBOXも発売が予定されているほど。
原作・脚本・監督はガンダムシリーズではおなじみ富野 由悠季氏が担当されています。
感無量だ・・・
長らく続いたアムロとシャアの物語。実に感動的なフィナーレでした!
最後のサイコフレームの光をみた瞬間、なんでか急に涙があふれてぼたぼたこぼれまして。
奇跡とかそういう類のお話って結構冷めちゃうタイプなのですが、あの瞬間は、言葉にできない気持ちが胸いっぱいになって、自然と涙が出てきましたね。
やはり『ガンダムシリーズ』は人間ドラマが濃厚ですね。
善悪とか、勝ち負けとかそんな単純な話じゃないわけですよ。
いろいろな思想や政治的思惑、考え方が混じり合っていて、複雑に物語に絡みついています。
ドラマだけでなく、戦闘シーンも濃厚!
やはりアムロとシャアの一騎打ちは最高ですね。
二度みても同じシーンの動きで声をあげるし、興奮してしまいました。
リサ
ガンダムお得意の緻密に計算された戦術もお見事。
相変わらず連邦のトップは腐り切ったやつばかりで期待を裏切りませんね。
アムロとシャアの物語、ここに完結
物語は『機動戦士ガンダム』から14年、一度は手を取り合ったアムロとシャアでしたが、再び二人は決別し敵同士に。
ネオ・ジオン軍の総帥となったシャアと、連邦軍の大尉となったアムロの最後の戦いが描かれています。
物語は、すでに混戦中の空域からスタート。
恐ろしさを感じるような暗いオープニングがいいですね、重低音のBGMも合っています。
いつまでも重力にしばられたままで(シャアのこの考え方すごく好き)、地球でいがみ合っている地球人に対して絶望しきったシャアは、人類の革新のために隕石を落として地球を寒冷化させようと企みます。
シャアの考え方は納得できる部分もありますが、やっぱりやることが極端なんですよね(笑)
彼のやり方に納得できないアムロやブライトたちは、シャアの企みを阻止するために追いかけます。
リサ
・・・と、まあ建前としてはシャアの父、ジオン・ダイクンが抱いた「人類の革新」という理想をシャアが成し遂げようとした、というお話でした。
しかし実際に蓋を開けてみると、結局シャアはアムロに、自分を導いてくれると信じてやまなかったララァを殺されてしまったことが、いつまでも許せなかったんですね。
隕石落としにかこつけて、アムロと最後の決着をつけたかったわけです。
ラストはどうなるんだろうとハラハラ。白黒はっきりさせない、余韻のある終わり方でしたね。
結末がもやっと終わるの正直あまり得意じゃないのですが、シャアの考え方もアムロの考え方も肯定する終わり方というのはある意味救いのあるラストだったのかもしれません。
サイコフレームの光がアクシズ全体に行き渡った瞬間はまさに奇跡。
ぶっちゃけクライマックスで「奇跡」が起きる演出も苦手なのに(奇跡とか偶然とか信じられない)、初めてみたときはものすごく感動して涙がぼろぼろこぼれてしまいました。
リサ
最後はアムロとシャアの決着を超えて、「人間の可能性は無限大だ」というのと「何事もやってみなくちゃわからない」、という大きなテーマにおさまったということでいいんですかね。
私は人間の無限大の可能性に涙したのか・・・富野監督、やってくれますぜ。
リサ
シャアってなんてカリスマ性のある男なんだ
本作はシャア好きにはたまりませんよね。
なんたってシャアの心情がとてもよく描かれていますから。
シャアの地球人への憎しみ、「ニュータイプ」への想い、そしてアムロという存在。
彼の人生の総集編としてもおもしろかったな。
シャアはアムロより人間臭いところがあって、そこが魅力でもありますね。
本作ではその人間臭さというか、シャアが持つ「弱さ」の面も垣間みえて、ますます魅力的な男に感じました。
声を荒げたり、涙を流したり。
リサ
『ガンダムシリーズ』ではおなじみの演説も胸が熱くなりましたし、かっこいいセリフもいっぱいありましたね。
俗物だのアコギだの独特な台詞回しもシャアらしい。
アムロがすっかり大人になっちゃったせいで(笑)、シャアの方が幼稚にみえるってのも不思議な感覚でしたね。
アムロは良い意味でも悪い意味でも「軍人」なんだよな〜
軍人としては最強の存在になったけど、どこか心を感じないというか。
いや言動をみる限り心がないわけじゃないんだけど、なんか空虚なものを感じるんですよね。
今までのシリーズの中だったらダントツで本作のアムロが一番好きですけど、人間すらも凌駕してしまったような印象も抱きました。
お互いがお互いを認め合っているのはふたりのやりとりで伝わるので、シャアとアムロは対局にいるというわけではないんですよね。
でもどうやっても交わる未来がみえないんだよなあ。
「ララァ」という存在が宇宙にいる限り、アムロとシャアは分かり合えないんだろうな。
ちなみに、ふたりがいがみあうシーンは幾度も訪れるのですが、どのシーンをとってもアツい。
その中でもやっぱりアクシズでの最終決戦が好きかな。
「世直しの話をしってるか?」で始まるアムロがシャアを諭すんですが、このセリフがまたチクチクと胸に刺さる内容なんですよね。
ああそうだ、ふたりが草むらで取っ組み合いの喧嘩するシーンも好きです。
いきなりシャアが馬で登場した瞬間に、お気に入りシーンに決定しました(笑)
リサ
そしてアムロとシャア以外のキャラクターもこれまた魅力的なんですよ。
多分子どもの頃にみたらクェス、ギュネイ、ハサウェイあたりのキャラに対しては、なんじゃこいつら余計なことばっかしてって思ったろうな(笑)
今観ると彼らの考え方も、わからないでもないなって思えますね。
とくにクェスは存在感抜群でぐいぐい物語に関わってくるので、彼女に関しては賛否両論ありそうですね。
確かに、彼女のおかげでテーマが散らばっちゃってる印象があったのは否めません。
しかしクェスのセリフに唸らされたものが多かったのも事実。
彼女が親からの愛情不足の結果ああいう子供に育ち、ああいう結末を迎えたというのはなかなかに心苦しいものがありますね。
クェスとハサウェイの家族に対するやりとりは印象的なシーンでした。
アムロとシャアの物語だけでは決しておさまらない、というか、多くの人間の人生・考え方がふたりの人生・物語に引き寄せられているんだろうなと考えました。
あっそうそう、私はブライトとミライさんが大好きなので、ふたりが出てきて最高にハッピーでした。
ミライさんすっかりお母さんになっちゃって〜
ブライトもいいシーンいっぱいありましたね〜
「なにやってんの!」から「すまんが、みんなの命をくれ。」までシビれるセリフもてんこ盛り。
リサ
メインキャストのおふたりの熱を感じます
『機動戦士ガンダム』から14年経っているわけですから、キャラクターだけでなくキャストのみなさんもキャリアを重ねているわけですよ。
さすがにアムロとシャアは聞き慣れた声だな〜と感じるようになりました(笑)
それにしても古谷さんも池田さんも気合が入っていて、素晴らしい演技でしたね〜
シャアは初登場時からずっと大人だったので、声質とか感情にあまり変化はありませんが、アムロはすっかり大人の話し方になりましたね。
で、ちゃんと古谷さんは大人になったアムロに合わせた演技をされているんですよ。
上手だなあ〜
語尾の扱いがとてもお上手。人間アムロと軍人アムロで使い分けていたんじゃないでしょうか。
今までのシャアだとあまり見られなかった感情的なセリフが池田さんの声で聴けたのもよかったですね〜
はあ硬派でいい声。
そうだ山ちゃんもいましたね〜!
山ちゃんがああいう、中身は子どもな青年を演じることって、最近じゃほとんどないと思うので貴重でしたね。
ギュネイを演じられたのはデビューして3年かそこらのよう。
いやーデビュー3年であの演技力。さすがです。
リサ
何度みても高まる戦闘シーン
そしてガンダムではかかせない戦闘シーン。
ものすごく細かく描き込まれていて、素晴らしい。ぬるぬる動くしね〜
まさにセル画時代の最盛期といった感じですね。
相変わらずモビルスーツの構造も細かくつくられていてたまりませんね。
最初にモビルスーツが岩に爪を落として着地するとか、あの一瞬だけのシーンでわざわざそれを描くって、もう、たまりませんね!!
モビルスーツそのものも頭部から足部までていねいに作り込まれています。
全面フレームの切り替わりもすごく綺麗に描かれていますよね。
最初にフレームが切り替わったのはアムロが乗ったときかな?すみませんチェーンだったかも。
なんにせよあまりのクオリティの高さに思わずすげ〜と口に出てしまいました。
遠方から飛んでくるビームの描き方もめちゃくちゃ計算されていて、リアルなんですよ!
ただ遠くからやってくるんじゃなくて、あえて遠近法を強調して描くことで、より宇宙の広さとビームの迫力を感じるんですよね。
あとはダミーの船がどれかきちんとわかるように描かれていたりとか。
モビルスーツでの戦いは、やはりアムロとシャアの一騎打ちがアツい!
何度か交戦するのですが、どれもものすごいスピード感と、緻密な計算のもと戦いが繰り広げられていて感心しますね。
よく思いつくよな〜
リサ
ちなみにモビルスーツ戦ではアムロの圧倒的勝利かなって思ってます。
正直ファンネルを使った戦いはエスパーっぽくて燃えないんですよね。戦っている感がないというか。
だからアムロとシャアが物理的にぶつかり合って戦うシーンが特にテンション上がるんですよね。(アムロはファンネルの存在を察知しちゃうからね。)
もちろん本作でも、ガンダムお得意の汚い政治模様もリアルに描かれています。
んも〜連邦はなんでいつもおばかやるかな〜〜(笑)
ガンダムの好きなところは、ジオンよりも連邦の方が腹黒くてゲスな人間が多いってところなんだよな〜。歪んでる?(笑)
ジオンはやっていることが過激で理解できないけど、志は高貴で純粋なところがあっていいんだよな〜
リサ
総評
良かった点
- 各キャラクターの心情
- 印象的なセリフ・シーンの数々
- 戦闘シーンのクオリティ
やっぱり単なるロボットアニメに終わらないところがいい!
悪かった点
- 初見では理解しづらい
- テーマが複雑
悪いって言い切るほどじゃないですが、まあ一回観ただけで全てを処理しきるにはテーマがやや難解かなと思います。
まとめ
ついに終わったか・・・と万感の思いが駆け巡りますね。
今まで観てきた『機動戦士ガンダムシリーズ』の中で一番好きな作品でした!
確かに初見殺しなストーリー構成・テーマではありますが、何回も観て考えて自分の中に落とし込んでいく作業も楽しいですし、観る度に新たな発見がありますね。
やっぱりガンダムのキャラクターは魅力的だし、社会風刺もきいていておもしろい。
人気な理由がわかりますね。
ここで『ガンダムシリーズ』の感想記事は一旦終わりますが、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』や『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』などのサイドストーリーも引き続きみていきたいと思います!
今後も、宇宙世紀軸の新シリーズ『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』や、サイドストーリーである『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の劇場版の公開なども発表されていますし、楽しみですね!
リサ
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