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緩急とクセのある演出に引き込まれる!『ブラック・クランズマン』

つい先日、黒人と白人が織りなすバディもののロードムービー、『グリーンブック』を鑑賞してきましたが、今回も黒人と白人のバディもの映画である『ブラック・クランズマン』を鑑賞してきました!

最近黒人が受けてきた人種差別の歴史を描いた作品が、数多く排出されていますよね。
私が映画を熱心に見始めるようになった2015年あたりは、あまり見かけなかった気がします。

やはりトランプがアメリカ大統領になってから、この手の社会風刺を描いた作品が一気に急増した印象がありますね。
自分が、ただ注目してなかっただけかもしれませんが・・・

『ブラック・クランズマン』も黒人と白人のコンビが活躍する様子を描いた実録ドラマなんだとか。
実録ドラマにもいろいろなタイプがありますからね。どのような作品なのかワクワクしながら鑑賞してきました!

ブラック・クランズマン(BlacKkKlansman)

監督 スパイク・リー
脚本 スパイク・リー
デヴィッド・ラビノウィッツ
ケヴィン・ウィルモット
チャーリー・ワクテル
出演者 ジョン・デヴィッド・ワシントン
アダム・ドライバー
ローラ・ハリアー
トファー・グレイス
公開 2018年
製作国 アメリカ合衆国

あらすじ

二人の刑事が挑むのは、 史上最も不可能な潜入捜査。

1970年代半ば、アメリカ・コロラド州コロラドスプリングスの警察署でロン・ストールワース(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は初の黒人刑事として採用される。
署内の白人刑事から冷遇されるも捜査に燃えるロンは、情報部に配属されると、新聞広告に掲載されていた過激な白人至上主義団体KKK<クー・クラックス・クラン>のメンバー募集に電話をかけた。
自ら黒人でありながら電話で徹底的に黒人差別発言を繰り返し、入会の面接まで進んでしまう。
騒然とする所内の一同が思うことはひとつ。

KKKに黒人がどうやって会うんだ?

そこで同僚の白人刑事フリップ・ジマーマン(アダム・ドライバー)に白羽の矢が立つ。
電話はロン、KKKとの直接対面はフリップが担当し、二人で一人の人物を演じることに。
任務は過激派団体KKKの内部調査と行動を見張ること。

果たして、型破りな刑事コンビは大胆不敵な潜入捜査を成し遂げることができるのか―!?(公式サイトより)

1970年代から今でも続く、黒人の人種差別の実態を描いた実録ドラマ。
第91回アカデミー賞で脚色賞を、カンヌ国際映画ではグランプリを獲得するなど、アメリカをはじめ世界中でも話題となりました。

監督は、『マルコムX』『インサイド・マン』などのスパイク・リー
主演は、デンゼル・ワシントンの息子であるジョン・デヴィッド・ワシントンが務める。

緩急とクセのある演出に引き込まれる

ラスト5分の衝撃がすごいですね。
2時間楽しんでいた作品の内容が吹っ飛ぶような演出にやられました。

リサ

ゆる〜っとしていた場内の空気が、ラスト5分で一気に緊張感のあるものになったのがすごい。

実際にあったとは信じがたいような潜入捜査から、黒人と白人の対立を浮き彫りにする、かなり風刺の効いたクセの強い作品
ときにコミカルに、ときに緊張感たっぷりに描かれる物語は、ジェットコースターに乗っているかのような緩急のある展開に引き込まれました。

最近黒人差別の歴史を描いた作品が多いですよね。
先日鑑賞した『グリーンブック』とはまた雰囲気が異なる作品で、勉強になります。

ラスト5分で一気に崖の下に落とされる

時代は1970年代。公民権運動が活発化していた時代の、黒人と白人の歴史が描かれています。
コロラド州コロラドスプリングスの警察署に、初の黒人警官として採用されたロン
情報課に配属され、情報収集をしていたところ、新聞に「KKK」の広告を発見します。

KKKとはアメリカの白人至上主義団体で、白人以外の有色人種たちの存在は認めないと、全国各地でデモを行っていました。
そんなKKKが危険なことをしでかさないか、ロンは監視のために潜入することを決めたのです。

ロンの地頭のよさと、育ちのよさから、KKKのメンバーはロンを白人至上主義者だと勘違いし、彼をKKKの一員に招き入れようとします。
その一連の流れを聞いていた他の情報課メンバーは大笑い。
ロンはどこからどうみてもKKKの敵である黒人ですからね。

しかしロンは動揺することもなく、冷静に、「あいつらに会うときは別のやつが行けばいい。」と、同僚のフリップ(白人)を指名します。
こうして誕生した黒人と白人のコンビが、危険な潜入捜査を繰り広げていきます。

おもわず目を疑ってしまうほど、華麗に展開される潜入捜査劇。
スマートでクールな黒人が卑劣な白人をコテンパンにやっつける、という構図は、典型的な勧善懲悪ものでした。
潜入捜査を繰り広げるシーンは、コミカルかつ軽いタッチで描かれており、重苦しいドキュメンタリーというよりは社会風刺の効いたドラマという印象

しかし、そのあとのラストシーンで、映画の雰囲気は一変
突如映像は切り替わり、トランプ大統領の就任、そして2017年に起きた「ユナイト・ザ・ライト・ラリー」の暴動の映像が流れます。
1970年からおよそ50年。今でもアメリカでの黒人と白人の対立は消え去っていないことを突きつけられます。

どこかドラマチックに感じていた物語が、急に現実味を帯びて心に突き刺さってきました。

リサ

ラストの星条旗がひっくりかえされてモノクロになる映像が、以上に恐ろしく感じましたね。

『グリーンブック』を鑑賞したのを機に、黒人差別の歴史を調べて、問題は相当根深いものだと学びました。
『グリーンブック』では、日常生活における黒人差別の実態が描かれていましたが、本作ではもっと上の、歴史の枠での実態が描かれており、2作を合わせて鑑賞すると、黒人と白人が対立してきた歴史への理解がぐっと深まるはずです。

トランプが大統領になり、人種差別問題が浮き彫りになったからこそ、本作のような作品を鑑賞することは、いい学びの機会になると思います。

絶妙なコンビネーションのコンビ

実録ドラマと同時にバディものでもあるので、主人公とその相棒の関係性も注目したいところ。

主人公のロンは、アフリカ系アメリカ人。軍の父に厳しく育てられた、教養のある男です。
どんな風に育てられたのかは描かれていませんが、おそらく偏った考え方を持たないように教え込まれたのか、潜入捜査を初めて中盤まで、黒人と白人の対立に対して楽観的な考え方をしている一面もありました。

相棒となる白人はフリップ。しかし彼はユダヤの血を持つ男で、白人といえどKKKに潜入することは危険な行為でした。
このこともあってか、出会った当初から2人の関係性はフラットで、スムーズに捜査が進行していました。
物語の核はあくまで黒人と白人の対立を描いているため、あまり2人のドラマはみられませんでした。

2人でやりとりをして友情を深めるようなシーンはあまりないのですが、捜査中に信頼関係が築かれていき、互いにうまくフォローしあっている姿はよかったですね。
フリップがユダヤと疑われ、バレてしまうのを回避するためにロンが決死の行動に出たり、ロンが警官に取り囲まれて命の危険が迫っていたときに、フリップが駆けつけたり。

リサ

あのシーンでロンは死んでしまうんじゃないかと思いました・・・

ロンとフリップが対立しなかったのは生まれのルーツから納得いくのですが、不思議だったのが、一部を除く警察署の他のメンバーもロンに対してフラットだったことですね。
1人くらい裏切り者が出るかなと思ったのですが、そんなこともなく。
コロラドスプリングは黒人差別の意識が薄いのかというと、KKKも黒人たちも、劇中ではそれぞれに激しく主張し合い、憎み合っていたのでそれもない。
警察署の中だけは妙に優しい世界が広がっていて、変な感じでしたね。

期待の新人(?)登場

主人公のロンを演じたジョン・デヴィッド・ワシントンは、なんとあのデンゼル・ワシントンの息子
そうなのか・・・アフロのせいか全然お父さんの面影を感じなかった・・・

もともとアメリカンフットボールの選手だったそうで、引退後は俳優業を開始。
今作が映画初主演なんだとか。
黒人と白人の話し方を完璧に分けていたのがすごかったなあ。

リサ

日本人の私でも違いがわかりました。

今作で注目されたことで、今後もいろいろな作品で見かけるかもしれませんね。楽しみだな!

相棒役を演じたのがアダム・ドライバー
ローガン・ラッキー』ぶりにお顔を拝見しました。カイロ・レン以外強烈なキャラクターを演じているのをみていないのですが、普通っぽい素朴なキャラクターを演じられるって逆にすごいですよね。
演技に関係ないのですが、太っているんだか鍛えているんだかわからないあの体型が好きです(笑)

リサ

最近髪型のせいかキアヌに似てるな〜と思うようになりました・・・

本編冒頭にアレック・ボールドウィンが過激な白人至上主義者の役を演じるのですが、十八番のトランプのモノマネを思い出して笑いそうになりました。
わざと狙ってアレックを出演させたのでしょうか・・・?

総評

評価

ストーリー
(4.0)
キャラクター
(3.5)
キャスト
(4.0)
演出
(5.0)
映像・音響
(3.5)
総合評価
(4.0)

良かった点

  • クセのある演出

ジェットコースターのように緩急のあるストーリー展開に引き込まれました。
特にラスト5分は誰が観ても衝撃を受けるはず。

悪かった点

  • 特になし

日本人が鑑賞するときは、あらかじめ黒人差別の歴史やKKKについて知っておくと、より楽しめると思います。

まとめ

コミカルなドラマと、突き刺さるような現実が合わさった、クセのある演出が印象的な社会派実録ドラマでした。
他の実録ドラマや社会派映画とはまた違った雰囲気の作品ですね。

ここ数年、アメリカの人種差別問題ははっきりと表面化してきていて、映画もその風潮に影響された作品が多く公開している印象を受けます。
百聞は一見に如かずといいますから、ぜひこの作品でアメリカで起きているさまざまな社会問題に触れるきっかけを作ってみてはいかかでしょうか

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