とある会計士の抱える過去を追い、彼を知る。遠慮のない洗練されたアクションシーンも見事な『ザ・コンサルタント』

昼間はしがない田舎の会計士、夜は裏社会に通ずる謎の男・・・
なんて予告をみたら劇場へ観に行くしかない。
ダークな雰囲気漂う『ザ・コンサルタント』を観ました!

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ザ・コンサルタント(The Accountant)


監督ギャヴィン・オコナー
脚本ビル・ドゥビューク
出演者ベン・アフレック
アナ・ケンドリック
J・K・シモンズ
ジョン・バーンサル
ジョン・リスゴー
公開2016年
製作国アメリカ合衆国


あらすじ



田舎町で会計事務所を経営する会計士、クリスチャン・ウルフ。
一見真面目で堅実に見える彼は、マフィアや武器商人、ネットハッカー集団などの顧客を抱える「掃除屋」としての裏の顔があった。

ある日ウルフのもとに大企業の会計監査の依頼が舞い込んできて、彼は企業の不正を暴く。
ところが一方的に仕事は打ち切られ、彼は突如命の危険にさらされていく。

そして同時に、彼の正体を掴もうと、FBIもウルフの捜査に乗り出していた。


監督はギャヴィン・オコナー
監督業の他に脚本なども手掛けており、近年ですと2016年にナタリー・ポートマン主演の『ジェーン』が公開されました。

新たなアンチヒーローの誕生をみた!


ダークなヒーロー、いいじゃないですか・・・!

その場のストーリーというより、主人公のクリスチャン・ウルフがどういう人間で、どういう過去を歩んできたのかということが丁寧に描写されています。
本編で起きる出来事を軸にあらゆる視点から彼がどういう人間か描かれ、本編のラストへと向かっていきます。
後半になってわかる伏線の回収は鮮やかで気持ちよかったですね。
特にラストで、ウルフの裏稼業を手助けしているパートナーの正体がわかった時は思わず「ハッ」と息が漏れてしまいました!

高機能自閉症を抱えているのですが、彼らには通常の生活が難しくても、突出した才能がある、という点に着目して作られていますね。

しっかしウルフがチート過ぎてすごい。ベン・アフレック強すぎ。
天才で武術にも精通しているってもう向かうとこ敵なしだよ!!
母親には見捨てられてしまう辛い過去がありますが、父と兄に恵まれていたという家族愛も描かれています。

あらゆる視点から主人公の心や生活にクローズアップ


物語は、しがない会計士として活動するクリスチャン・ウルフが、ある依頼を受け危険にさらされていくストーリーを軸に、裏社会での会計士としての顔を持つ彼を追うFBIの視点とそこへ彼がどうやって今の職業につくようになったのかという過去を織り交ぜながら進んでいきます。
FBI、クライアント、過去、家族、多くの視点から彼という人間に向かって行く構成は、久々に頭をフル回転させました。
最近は頭を空っぽにしてみられる作品ばかりだったので(笑)

しかし本編が終わりに向かっていくうちに過去や、意外な人との関わりなど事実が明かされ、いくつもの矢印が一本の矢印に収束されていきます。
全ての伏線が解明された時はすっきり。ラストのシーンは清々しい気持ちで画面を眺めていました。

神経質でこだわりが強い主人公


主人公のクリスチャン・ウルフには2つの顔があります。
一見ちいさな会計事務所を営んでいると見せかけて、実際はマフィアや殺し屋など裏社会の人々を顧客に持つ会計士なのです。

ウルフは自閉症スペクトラム障害を抱えており、こだわりが強く最後までやり遂げないと気が済まない性格だったのですが、類稀なる計算能力と父親に鍛えられた卓越した武術で裏社会で活躍していくのです。
彼が抱えるこだわりは劇中でも描かれています。
スプーンやフォークはきっちり揃える、食事も均等に配膳する、作業を始める前は両手の指先に息を吹きかける・・・など。
整頓されたこだわりっぷりには思わず真似したくなりました。

ウルフの飛び抜けた身体能力は、元軍人である父親に仕込まれてきました。
自身の神経質さが相まっているのか彼のアクションは一撃一撃の正確性が高く、キビキビした動きで無駄がない美しさでした。

一方でコミュニケーション能力は乏しく、劇中で出会う女性・デイナに対してはどこかよそよそしい態度でなんだか可愛らしく感じてしまいました。
2人のラブロマンス的な展開は一切ないのですが、それもウルフらしくていいです。チープな映画にならなかった。

ベン・アフレックの見た目と演じるキャラクターのギャップがたまらんです


ウルフを演じるのは『アルゴ』『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』ベン・アフレック
最近だと『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』でバットマン役を演じたことでも話題になりましたね。
『アルゴ』懐かしい〜!2013年のアカデミー賞を総なめしたんですよね。
『ジャンゴ 繋がれざるもの』、『レ・ミゼラブル』と名作が揃った激戦の年だったので、作品賞で『アルゴ』が選ばれた時の会場のどよめきと盛り上がりは今でも忘れられないなあ。

『アルゴ』でみせてくれたクールな中にも情熱を秘める捜査官とはまた違った、寡黙な男を演じています。
自閉症を抱える人の持つ、クセ特徴をよく捉えていて感心しました。
一見無口で孤独な男と思わせるんですが、不意に見せる心を許したような表情もグッド。
どこか幼さの残る表情が、ウルフの本業とのギャップを感じでかわいいなあなんて思ってしまいました。

これは映画に全く関係ないんだけど、ベン・アフレックってトム・クルーズに似てない!?
ストーリー序盤でかけていたメガネを後半外しているのですが、正面から見た無表情の顔がすんげえトムに似てた・・・
『アルゴ』ではひげもじゃだったからなんとも思わなかったんだけど。
髪が肩と服装のせいか『マイノリティ・リポート』のトムにめっちゃ似てました(笑)

計算され尽くしたような華麗なアクション


主人公にクローズアップしていくストーリーを盛り上げるのが、後半からどっと盛り込まれるアクションシーン。

ウルフ・クリスチャンの繰り出す武術は、彼の性格からか、一発一発が洗練されている。
めまぐるしいスピードで繰り出されるパンチや足技には目を見張るものがあります。
まるで最初から最後まで計算されたかのような正確なアクションで、みていてすごく気持ちよかったです。
拳銃に関しても、遠慮なく相手の脳天をぶち抜くので、スカッとします(笑)

本編終盤での敵組織との戦いは、銃撃戦に接近戦と、激しいアクションシーンが続くので、ドキドキしっぱなしでしたね。
こんなに激しくて、もしかしたらウルフは最後死ぬオチなんじゃないかとハラハラしてしまうほど。
そしてそんな凄まじいアクションシーンのオチにも驚かされました。

良かった点


・主人公が魅力的
・アクションがスタイリッシュ
・ベン・アフレックつよかわいい


主人公のクリスチャン・ウルフという人物像がとても丁寧に描かれているので、彼に強い魅力を感じました。
そして彼を演じるベン・アフレックにもホイホイ惹かれる私。

悪かった点


・あらゆる視点から物語が進むので頭はフル回転
・弟のくだりはちょっとご都合主義かな
・タイトルがおかしいぞ?


悪いってほどじゃいのですが、中盤は話がごちゃごちゃするので頭の中で整理しながらみましょう。
アクションシーンのオチは弟が全部持って行ってくれるのですが、そんな都合のいいことってあるのか?と微笑ましく思いました(笑)

映画のタイトルは『ザ・コンサルタント』ですが、彼の職業は「会計士」であって、コンサルタントではないですね。
本編序盤での老夫婦への節税業務などはコンサル業と言ってもいいかもしれませんが・・・

会計士は英語でaccountantといいます。実際にアメリカ版のタイトルは『The Accountant』なんです。
まあ日本人には聞き馴染みがないからタイトル変更になったんだろうと思うのですが、全く違う職業なので鑑賞後は疑問に思いました。

今ならアメコミ版のサイドストーリーが読めるぞ!




ちなみに「ギズモード・ジャパン」で、クリスチャン・ウルフの日常を描いた漫画を読むことができます!
彼の表と裏の顔を覗き見ることができちゃいます。
激しいアクションシーンもあったり・・・

本編のネタバレは一切ないので、映画をまだ観ていない!という方でも安心して読めますよ!
気になった方は是非読んでみてくださいね。

まとめ


表と裏の顔を持つ会計士クリスチャン・ウルフの人物像に迫った『ザ・コンサルタント』
彼の抱える障害や過去が事細かに、しっかり描かれています。

遠慮のない、無駄のない素早いアクションシーンも見物。

どうやら続編を作る予定もあるそうなので、続報が楽しみですね。

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