23人格の男が目覚める!ジェームズ・マカヴォイ渾身の演技に飲み込まれる『スプリット』

ジェームズ・マカヴォイが23役も演じる!ということで、これは観に行かねばと決めていた『スプリット』
「スプリット」とは「分裂」という意味でして、そのまま作品の主人公を指した意味のタイトルになっているんですね。



スプリット(SPLIT)


監督M・ナイト・シャマラン
脚本M・ナイト・シャマラン
出演者ジェームズ・マカヴォイ
アニャ・テイラー=ジョイ
ジェシカ・スーラ
ヘイリー・ルー・リチャードソン
公開2017年
製作国アメリカ合衆国


あらすじ



級友のバースデーパーティの帰り、車に乗った3人の女子高生。
見知らぬ男が乗り込んできて、3人は眠らされ拉致監禁される。

目を覚ますとそこは殺風景な密室・・・彼女たちはその後、信じがたい事実を知る。
ドアを開けて入ってきた男はさっきとは違う異様な雰囲気で、姿を現す度に異なる人物に変わっていた― なんと彼には23もの人格が宿っていたのだ!
そして、さらに恐るべき24番目の人格が誕生すると、彼女たちは恐怖のどん底に。

3人 VS <23+1>人格。果たして、3人は無事に脱出できるのか!?(公式サイトより)


監督はM・ナイト・シャマラン
あの『シックス・センス』を世に送り出した方ですね。
初めて地上波で見たときは、ラストのどんでん返しに「なん・・・!?やられた!」ととても感銘を受けたことを覚えています。

2015年に『ヴィジット』という作品を製作されていて、これがかなり面白かったそうなのですが、この頃はまだ今ほど映画館に通い詰めていなかった・・・
惜しいことをしました。

数々のシャマランワールドな作品を作り続けている監督ですが、残念ながら私が彼の作品で知っているのは『シックス・センス』のみ。
これが今回ある意味仇となってしまいました(笑)

ジェームズ・マカヴォイすげえ・・・そしてラストに全部持って行かれた


ジェームズ・マカヴォイ怖いよ!!!
坊主だからか顔の目鼻立ちがはっきりして、余計怖いぞ。
なんて演技力!彼が色々な人格に変わる度にドキドキしてしまいました。

ストーリーは別に23人格 vs 3人の女子高生ではなかったですね。
ジェームズ・マカヴォイが最強すぎて、もはやこれは逃げられないんじゃないのか、最後一体どうなるんだ、と、なかなかみえてこないラストに焦れ焦れしました。
ヒロインのケイシー以外の女子高生の末路がかわいそうで、ちょっぴりしょんぼり。
ケイシー覚醒ルートではなかったので、ぶっ飛び度が足りなかったですが、クライマックスでの、主人公とケイシーのやりとりでみせたケイシーの涙が印象的でした。

あっさり終わったと思ったら、衝撃のラスト
え、ん?ええ!?何でこいついるん・・・
「急告」の文字に、衝撃の真実。

このラストは、M・ナイト・シャマランの作品のファンの方にとっては、大喜びだったのではないでしょうか。
私は何かがリンクしているんだなと、近年溢れかえるクロスオーバーの匂いを感じ(笑)、本編終了後に色々なサイトをみて詳細を知りました。
ああ、ああそういうことか〜と、ここでどんでん返しを食らわされましたね。

本作の世界観は、M・ナイト・シャマランファンにはたまらない作品だったことでしょう。
私は彼の作品の世界観や傾向は勉強不足なところがあったので、ただただジェームズ・マカヴォイの危険な演技を堪能させてもらいました。

主人公とヒロインが受けた過去


予告だと、23人格を持つ男に誘拐された女子高生たちが、監禁から逃れようとするサスペンスホラー映画な雰囲気を漂わせていましたね。
イカれた男と3人の女子高生による、スプラッタばりの激しい攻防戦が繰り広げられるのかと思いきや、全くそんなシーンはありません(笑)

この作品は、主人公のケビンと、ヒロインのケイシーのそれぞれの過去との向き合い方が描かれています。

ヒロインのケイシーは、誘拐事件を通して過去と向き合い、それを乗り越えようとするきっかけをこの事件によって与えられました。
過去はいつかは乗り越えなくてはいけない、というテーマが潜んでいます。

ケイシーはクールで学校でも浮いたキャラなのですが、それには理由がありました。
過去に義父である叔父から性的虐待を受けており、そのせいであらゆるものに対して心を閉ざしてしまいました。

一方でケビンも、幼い頃親から虐待を受けた過去がありました。
危険から身を守るために、ケビンは23人の人格を生み出すこととなったのです。

ケビンは、さらなる脅威から自分を守るため、人格の分裂をつづけ、ついに彼の中で24人目の人格「ビースト」が生まれてしまうのでした。
もはや人間じゃない。
実は、この「ビースト」の覚醒のために女子高生たちは誘拐されてしまったのです。

覚醒した「ビースト」は驚異の身体能力を発揮し、誰も止めることができません。

主治医も女子高生たちも殺される中、ケイシーだけは、彼に殺されることなくその場に置き去りにされます。
ケビンはケイシーの傷ついた体を見て、彼女も同じ境遇だったと気付くのです。
「お前は違う」と言い残し、その場から消え去ります。

この時のケイシーのが綺麗で、見惚れてしまいました。
恐怖からくる涙というよりは、過去から解放されたことによる涙のように感じました。
そして彼女は叔父と立ち向かうことを決めるのです。

ケビンは逃げ延び、さらなる静粛のためにこれからの野望をにじませるのです。

ケイシー以外の女子高生2人は全く報われなくて、少し気の毒でしたね。
今までグロさのかけらもなかったのに、クレアとマルシアの最期から急にグロさ満載の絵面になって白目むきそうでした。

シャマランワールド、始動!


恐ろしい男が生まれてしまったということは、ここで作品が終わるはずがない・・・
というところで、今作のどんでん返しが起こります。
なるべく根本的なネタバレは避けようと思っていたのですが、ここを話さないと私の興奮が伝えられない!ということで、ご承知を。

ラストで、ケイシーが助かったことによって、今回の事件が明るみになります。
ニュースを見た女性たちが、おしゃべりをしています。

「15年前にもこんな事件あったわね」
「車椅子に乗った男で、なんといったかしら」


そして彼女たちの陰に隠れていた男がぼそり。

「ミスター・グラスだよ」

おお!?!?我らがブルース・ウィリスじゃないですか!
と大興奮。
しかし、ネタが全くわからないのです。

混乱する頭をよそに本編は終わり、画面に突然「急告」の文字が。

なんと『スプリット』『アンブレイカブル』の作品をリンクさせた続編が制作決定!

その名も、『GLASS』

わあ〜〜!!そういう!そういうことする!?
ということで、『スプリット』の世界観は、M・ナイト・シャマラン監督の過去作『アンブレイカブル』の世界観とつながっていた物語だったのです。
で、続編はその2作品がクロスオーバーした作品だと。

これは要チェックですね。
私も早速『アンブレイカブル』を鑑賞したいと思います。

主要キャストには『スプリット』からジェームズ・マカヴォイ、そして『アンブレイカブル』からブルース・ウィリスサミュエル・L・ジャクソンの出演が決まっています。
あら〜、ブルース・ウィリスだけでなく、サミュエル・L・ジャクソンまで!?!?
楽しみですね!

1人の中に23人が潜む


本作では、主人公であるケビンがどんな人格を持っているのか、どうしてそうなってしまったのか、という部分にも深く切り込んでいます。
劇中は監禁された女子高生たちのシーンと、ケビンが主治医であるフレッチャー先生とやりとりしているシーンが半分ずつくらいの割合を占めています。

23の人格を持つケビン。
今作で主に現れる人格は5つです。

1人目はデニス
潔癖症で強迫性障害がある几帳面な男です。
このデニスが、24人目の人格「ビースト」を生み出すために、3人の女子高生を誘拐してしまうのです。

2人目はパトリシア
女性の人格で、デニスと共謀して「ビースト」を生みだそうとしています。
誘拐した女子高生たちに対して丁寧に対応したりと、一見温和な雰囲気がありますが、突然キレ出す危ない一面も。

3人目はヘドウィグ
彼はなんと9歳の男の子の人格。
自由に人格を入れ替えられる力を持ったため、デニスとパトリシアとともに「ビースト」の覚醒に力を貸します。
キスを知らない無邪気(?)な男の子。

4人目は主人格であるケビン
解離性同一障害を抱えるきっかけとなったのは、母親からの虐待がきっかけでした。
完璧な人間になれば、辛い状況から逃げ出せると考えたケビンは、デニスという人格を生み出します。
そしていつの間にか彼の中には23人の人格が生まれたのです。

5人目はビースト
今回の事件をきっかけに生まれてしまった人格。
人間を超えた驚異の肉体を持ちます。
ショットガンの弾丸は貫通しないし、人間は食べるし、まさに野獣

自分の身を守ろうとしたばかりに驚異の進化をとげてしまったケビン。
彼の過去を乗り越え這い上がろうとする姿は、ケイシーと違った形で描かれています。

23人も人格を抱えていて混乱しないんですかね。
実際に同一性乖離障害を抱える人は、同じ体なのに、人格がかわるとアレルギーや病気の症状が変わったりするらしいので、不思議なものです。

ジェームズ・マカヴォイの豊かな表情筋


5人の人格を見事に演じきったジェームズ・マカヴォイ
さすがに23役ではなかったけど、でもすごすぎる。

それぞれのキャラになった時の表情や、佇まいの違いがはっきりわかるんですよね。
デニスを演じているときは眉間にしわを寄せて、気難しそうな雰囲気。
パトリックになれば、ちょっと首を傾けて、女性らしい柔和な雰囲気を漂わせます。

パトリックは女性の人格なのですが、みていても全く違和感がないんです。
女装してるー!という感じがない。ああ女性だね、というくらい自然です。

9歳の男のを演じているときは、フニャフフャした表情で、あどけないんですよね。
ケイシーとのキスシーンが子どものキスで、本当に感心しました。

どうする?もうどんな役でもいけるじゃん!
1人で映画作れるじゃん!というくらい興奮しました。
楽しかったです(笑)

後半から一気に恐怖を煽ってくる


全体的に画面は暗く、より怖さを演出させられます。
それでも本編序盤は、ケビンがフィッチャー先生の元へ訪れるシーンが挟まるので、時々安心させられるんですよね。

ところがいよいよ物語のラストに迫ってくると、画面は暗くなり、不安感が一気に湧いてきます。
ケビンの中で「ビースト」が覚醒してからは、一気にホラースプラッタの演出に切り替わり、そこからめまぐるしく物語が進んでいきます。

年齢制限はありませんが、後半はグロいシーンが若干あるので、完全にグロいのがダメな人はBlu-rayの発売を待ちましょう。
私はクライマックスは結構ビビって目を細めて見てしまいました(笑)
まあよくあるスプラッタ映画レベルですよ〜

それまでなんともなかったのに、いきなり女子高生たちのあんな姿見せられたらおげ〜と言いたくなってしまいます。
あのシーンから急にスプラッタ感増しましたよね。

良かった点


・ジェームズ・マカヴォイの演技
・ラストのどんでん返し


ジェームズ・マカヴォイの演技目当てで観に行ってもいいってくらい、楽しませてもらいました。
ラストは知識不足でぐぬぬとなりましたが、監督のファンの方にとってはこれ以上ないどんでん返しを味わったのではないでしょうか。

悪かった点


・女子高生は3人も誘拐する必要あった?

3人も女子高生必要でしたかね?
別にケイシー1人を誘拐すればよかったんじゃないかな〜
途中で別々になっちゃうし、最後あんなんだし、2人が不憫でならないです(笑)

まとめ


ただのホラー・スプラッタ映画ではなく、主人公とヒロインが、過去に受けた傷からどう立ち上がるか見守っていく作品でもあります。
どんな結果であれね・・・

狂気全開のジェームズ・マカヴォイの演技も素晴らしかったです。

ぜひM・ナイト・シャマラン監督の過去作を観てから本作を鑑賞してください!
ラストに衝撃を受け、大興奮すること間違いなしです!

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