ラストの種明かしにゾクっとさせられる。ミステリー映画の名作『シャッター・アイランド』

レオナルド・ディカプリオの出演作12作品のまとめ記事を公開しました。
今日はその中でも私が1番好きな『シャッター・アイランド』をご紹介します。

シャッター・アイランド

あらすじ



精神を病んだ犯罪者の収容施設がある孤島、シャッター アイランド。
厳重に管理された施設から、一人の女性患者が謎のメッセージを残して姿を消す。
孤島で起きた不可解な失踪(しっそう)事件の担当になった連邦保安官のテディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)は、この孤島の怪しさに気付き始める・・・
シネマトゥデイより)


公開は2010年と結構最近なんですね。
マーティン・スコセッシレオナルド・ディカプリオが4度目のタッグを組んだ作品です。

感想


ゾクッとしてしまうミステリー映画。身体全体が重くなるような作品です。

マーティン・スコセッシってこの作品や『ギャング・オブ・ニューヨーク』『ディパーテッド』のような画面が重た〜い作品が多く、シャッター・アイランドも多分に漏れず全体を通して陰鬱とした空気が漂ってます。
舞台が孤島の精神病院というのも鬱屈とした雰囲気をさらに強めてますね。あの島は危険な空気しか感じない・・・

暗い雰囲気に沿ってか、ストーリーも重苦しい展開になっています。でもすごく面白い。
最初はどんな話なんだろうどういうことなんだろう、とワクワク見ているのですが、徐々に真のストーリーが分かるにつれ、恐ろしい気持ちになってきます。
何が真実で、嘘なのか、頭が混乱してくるのです。疑ったと思えば、それを覆すような新たな伏線。
いやあ、完全にスコセッシに騙されました。

レオ様の安定の演技力にも参った参った。ラストの表情やセリフなんか最高です。うわあ!どっち?どっちのキャラなの?とハッとさせられますよね。

2度見るとより楽しめます!


この作品は、ぜひ2度鑑賞していただきたい!
なぜかというと、ラストで今まで我々が信じていたものが全て覆されてしまうから!

本編を見ているうちに薄々もしかして・・・?と思うようなことも匂わせてくるのですが、それでも初見はラストの種明かしに驚かされますよね。
この映画はその驚きと、ストーリーの流れを全て理解した上でもう一度観るとより楽しめると思うのです。

ということでざっと映画のストーリーをおさらいしましょう。

連邦保安官のテディは相棒のチャックを連れて、精神病患者が収容されている孤島に向かっていた。
自身の3人の子供を殺してこの島に収容されていた女性患者のレイチェルが失踪したと通報があり、その捜査のために訪れたのでした。
しかしテディには本当の目的がありました。
過去に自分の妻を殺した放火犯アンドリュー・レディスがこの孤島に収容されていると知り、その男に会おうとしていたのです。

2つの事件を追っているうちに、テディはこの島では精神病患者が人体実験、いわゆるロボトミー手術の実験台に使われているのではないかという疑いを持つようになり、島に隠された謎を解き明かそうとし始めるのです・・・

おお、ミステリー映画っぽいですね。一体この島には何が隠されているのか!
と、途中まではワクワクしながら観てました。ええ、はい。
しかし、隠されていた謎は島ではなかったのです。

今までのストーリー、これは全てテディの妄想だったのです。
な、なんてこったい!!!

ラスト、テディは全ての謎を解き明かそうと相棒のチャックが連れてかれたと思っていた(実際は連れてかれてはいない)灯台に向かいます。
そこには島の医師であるコーリー医師がいました。
そして、コーリー医師はテディに全ての真実を伝えます。
実はテディは散々放火犯だと言って探していたアンドリュー・レディス本人だったのです!
テディはこの島の患者で、過去に子供を3人殺した妻ドロレスを、自らの手で殺してしまっていたのです。
そんなテディは、今まで起きていた事件のことをずっと人々に話してきていました。
何度も同じ話を繰り返し、周囲の理解が得られないと暴力沙汰まで起こすレディスは危険人物とみなされ、然るべき処置(ロボトミー手術)を施されることとなってしまったのです。
なんとか正気に戻って欲しかったコーリー医師は、レディスに今まで話していた妄言を実際に再現させれば元のレディスに覚醒するのではないかと目論んだのです。

ということで、ラストの種明かしがされるまでは、全てレディスのために島の人たちが一芝居打ったニセモノの世界と、レディス自身の妄想が混じった世界を見せられていたのです。
相棒のチャックも、実際はレディスの担当医であるシーアン医師
すごいどんでん返しだ・・・

この真実を知った時はなんてこった!という驚きと、やっぱりそうなのねという悲しい気持ちでごちゃ混ぜになりました。そして必ずこう思うはず。

「ストーリーの真相を知った上でもう一度見たい!」
監督ずるいですわ〜。

周囲の登場人物の表情や仕草に注目


さてこの映画の本当の真実を知った後。
改めて映画を見返すと本編の一連の事件には偽りがあるというメッセージが随所に散りばめられています。
チャックが終始心配そうにテディを見ていたり、島の警備隊が妙にテディたちに冷たい理由もわかりますよね。

その中でも私が再度観てなるほどね〜と感心した点を挙げたいと思います。

・テディとチャックが島にやってきた時の警備隊の対応が厳しく、どことなく冷たい態度だった理由
→テディが実際の患者、アンドリュー・レディスだったから。

・テディが病院の敷地内に入った際、患者たちがテディを見て笑っていたり、指をさしたりした理由
→テディが実際の患者で、面識があったから。

・テディが「酷い犯罪を犯して収容された患者に安らぎを与える必要があるのか」とチャックに言った際、チャックが笑った理由
→テディも犯罪を犯した人間だから。

これに関しては初見の時なんでチャックは笑ってんだ?と思っていたのでラストでスッキリしました(笑)

・「4の法則 67番目は誰?」というメモの意味
→これはこの物語かまアンドリューの妄想であるという大きなメッセージになっていますね。
4の法則は、4人の登場人物がアナグラムになっているというネタバレ。
テディ(EDWARD DANIELS)=アンドリュー(ANDREW LAEDDIS)
レイチェル(RACHEL SOLAND)=ドロレス(DOROLES CHANAL)
67番目というのは、病院の患者が66人おり、アンドリュー自身が本当は67番目の患者であるということを示しています。

・テディの事情聴取に集まった病院の看護師たちが常に不安そうに違いに目配せをしたり、テディが身を乗り出した時に緊張が走った理由
→レディスが実際の患者で、彼の妄想に話を合わせなければいけない上に、彼は暴力沙汰を何度も起こしているから。

・テディが病院の女性患者にアンドリュー・レディスについて聞いた時突然患者が取り乱した理由
→アンドリュー・レディス=テディだったから混乱した。

・ラストの灯台のシーンでコーリー医師が「びしょ濡れじゃないか、ベイビー」と突然お茶目なセリフを発した理由
→テディに全てのことの種明かしをするため。

・・・と、まあ挙げればキリがないくらいあれこれ伏線があります。
細かい部分まで全て挙げるととんでもないことになるので、気になった方は解説サイトなどたくさんありますので色々検索してみてください!

ラストは色々な解釈ができる!?


この作品で最も胸を打たれるシーン。
ラストのテディの「どちらの方がマシかな。モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか」というセリフ。

このセリフから察するに、恐らくテディは正気に戻っていますよね。
その時の彼の表情を見ると穏やかですが、どこか疲れ切ったような、心はとっくに死んでしまっていたような顔をしています。

彼の精神状態はもはや死んでいて、彼はあえてテディを装って自らロボトミー手術を受けることを決めたのではないでしょうか。
本来の自分に戻って犯した罪を背負って生きるよりも、頭がおかしくなってしまった人間として死ぬことを選んだのです。

レオ様の演技が最も輝いていたシーンでした。

さて、正規のラストの解釈は上記の通りだろうと思うのですが、私はこんなラストも面白いのではないかなと思いました。

病院側がテディを人体実験の患者に陥れ、テディを洗脳させていったというオチ。
テディは実際に連邦保安官で、今までのストーリーもテディの妄想ではなく現実に起きていたことで、テディが病院の実態に気付き始めたため口封じに・・・というような。

中二病感満載ですが、そういう陰謀オチというのも面白くないですか?(笑)
この作品は現実と妄想が混じった世界を我々に見せているのですから、何が正しくて何が嘘か判別することはほとんど観客側に一任しているようなものですよね。
色々なラストを考えることができそうです。

まとめ


二転三転するストーリーに、ラストのどんでん返し。
最後まで見逃せない緊張感が心地よい作品です。
レオ様のどんどん追い詰められて行く迫真の演技も素晴らしい。

そして必ず、1度観たらもう1回観たくなるはずです!

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