音楽・映像・衣装の演出が素敵!夢物語のような世界観に心奪われる『ラ・ラ・ランド』

今年度アカデミー賞最多ノミネートし、そして6部門を受賞した『ラ・ラ・ランド』
話題になりすぎて、期待外れにならないかちょっと心配していたのですが(笑)、私も公開を心待ちにしていました!



ラ・ラ・ランド(La La Land)


監督デミアン・チャゼル
脚本デミアン・チャゼル
出演者ライアン・ゴズリング
エマ・ストーン
ジョン・レジェンド
ローズマリー・デウィット
公開2016年
製作国アメリカ合衆国


あらすじ



夢を叶えたい人々が集まる街、ロサンゼルス。
映画スタジオのカフェで働くミアは女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。
ある日、ミアは場末の店で、あるピアニストの演奏に魅せられる。
彼の名はセブ(セバスチャン)、いつか自分の店を持ち、大好きなジャズを思う存分演奏したいと願っていた。
やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合う。
しかし、セブが店の資金作りのために入ったバンドが成功したことから、二人の心はすれ違いはじめる・・・(公式サイトより)


今年度アカデミー賞14部門にノミネートされ、監督賞主演女優賞美術賞撮影賞作曲賞主題歌賞の見事6部門を受賞。
映画界に新たなセンセーショナルを巻き起こしました。
監督は『セッション』デイミアン・チャゼル

『ラ・ラ・ランド』というのは、英語で「ロサンゼルス」を指しており、また、「現実離れした世界、おとぎの世界」という意味も含まれているんだそうです。
ハリウッドがあったり、リゾート地が多いロサンゼルスの浮世離れした雰囲気から生まれた造語のようですね。

感想


後半10分、涙が止まりませんでした。
感動とは違う涙です。この映画は歳をとったからこそ胸にくるんじゃないですかね。
夢を持ち続け、努力をし、ついには夢を叶えているのに、まるで夢物語のような映画
まさに『ラ・ラ・ランド』
劇中のちょっと古めかしい衣装色合いが、また夢物語のような雰囲気を強めていましたね。

『レ・ミゼラブル』や『ドリーム・ガールズ』のようなザ・ミュージカル映画とは違って、ミュージカル要素もあるけれどそれ以上にメッセージ性の強い作品です。
劇中歌の歌詞が素敵なものが多くて、とても印象に残っています。
ミュージカル映画が苦手というかたでも、夢中になって観られるのではないでしょうか。

監督であるデイミアン・チャゼルの前作、『セッション』のアンサー作品というだけあって、『セッション』を観たからこそ「お!」と思うような小ネタがちらほら撒かれています。
これから観るという方は先に『セッション』を観てほしいですし、もう『ラ・ラ・ランド』観ちゃったという方はこれからでもぜひ『セッション』をみてほしいです。

夢か、恋か、運命の人との出会いで人生を切り開く物語


カフェで働きながら女優を目指すエマと、自分の店を持ち好きな音楽を演奏したいジャズピアニストのセブ
2人が出会い、恋に落ち、お互いの夢を応援し続ける物語。

出会った当初はソリが合わなかったものの、お互いを知り、抱いている夢への情熱を知っていくうちに、恋人となっていきます。
2人は愛し合い互いの夢を追いかけながらも、いつしか自分を支えてほしいと思う気持ちが生まれて来ます。
そしていつしか2人で生きていくためにセブは夢を諦め始めてしまい、衝突し合い、2人の気持ちはすれ違ってしまうのです。
エマも大きな挫折を味わい、夢を諦めることを決め、実家に帰ってしまう。
けれど、セブはエマ宛にかかって来た一本の電話をきっかけにエマに夢を捨てるなと語りかけます。

そして、そのオーディションをきっかけに、2人は自分たちは夢を追い続けるべきだ、夢を追い続けているお互いを愛しているのだと悟るのです。

時は経ち、エマはトップ女優となりセブではない別の男と結婚。
ある日、夫と偶然訪れたバーは、セブが経営するジャズバーだった。
そしてセブの弾くピアノを聴きながら様々な想いが込み上げてくる2人。
別れ際に見つめ合い、微笑み合うエマとセブ。
決して言葉を交わすことはなくても、互いの夢を叶えたことを称えあったのでした。

夢をずっと抱き続け、時が経ち、そろそろ自分の人生をかためていく歳になりつつある男女が、ぶつかり合いながらも夢を追い続け合う姿が、数年の時をかけて描かれています。
ありきたりでわかりやすいストーリーなのに、一つ一つの演出が丁寧で、凝っていて、なんだか自分の子供の頃の世界にひきずりこまれた気分になり、子供の頃に抱いていた漠然とした未来への希望や情熱が、一気に込み上げて来ました。

切ない恋物語も本作の魅力の一つ。
夢か、恋か、どちらを選ぶ時、この2人は夢を選んだのです。
そうすることが、相手への思いやりで、愛情と敬意を示したのです。

夢を支えてくれる人


エマとセブは、まるで運命のような出会いを果たし、恋に落ちますが、結ばれません。
2人は夢を追い続ける互いに恋をしたのであって、自分を支えてくれる相手に恋をしたのではなかったのです。
2人は互いを刺激し合い、夢を追い続ける「好敵手」のような存在で、人生を支え合う存在ではなかったのです。
いや、セブはどうだったのかな。

最後の演出はずるいですよね。だめだ、思い出しただけで泣けてくる・・・
予告でセブとエマがキスをしていたのに、最初にみたシーンではキスをしなかったので、え?どういうこと?と思っていたのですが、なるほどここでくるか、と。
そして徐々に、ああこれはもしこうだったら、ああしてたら、というifの演出なのか、と気づいたらもう涙が止まらなくなってしまいました。
恋物語は悲しい結末なのに、演出や音楽が明るく感動的というギャップにもより切なさが駆り立てられました。

映画の上映が終わって館内が明るくなっても涙が止まらなかったのは『ブローク・バック・マウンテン』以来でした。

この作品は恋愛物語ではないし、2人が結ばれないからこそ映画のメッセージ性が高まるということは重々理解していますが、なんというか、私なぜかセブに感情移入してたみたいです(笑)
セブは、エマが一度は諦めた夢をもう一度蘇らせて、エマの夢を叶えるきっかけを与えたと言っても過言ではないのに、恋は実らないって、そんな、悲しいことがあるのか!?
この辺りはもっと色々な方の感想を読んで、時間をかけてじっくり考えて、自分の中で昇華させたいと思います。
うう、辛い・・・!

監督の魅力的な世界観


『ラ・ラ・ランド』の世界により深く浸るには、監督であるデイミアン・チャゼルの作品『セッション』も観てみるといいです。
『ラ・ラ・ランド』は『セッション』のアンサー作品と言われていますが、まさにその通りだと思いました。
『セッション』では若き青年が、その若さと情熱で夢を追いかける狂気が描かれています。
こちらの本編は、挫折した夢を再び追いかけ始める、というところで終わります。
そして、『ラ・ラ・ランド』では、その若さゆえに抱くことができた夢への狂気と情熱は、時が経ったら果たしてどうなるのか、という姿が描かれています。

また、監督は自身が学生自体ジャズを嗜んでいたことから、どちらも本編にはジャズが物語に深く関わっています。
『ラ・ラ・ランド』では、セブが「ジャズを蘇らせたい」という強い思いを語るシーンがあります。
これは監督の願いでもあるのかなと上映中に考えたりしました。
ですが上映後に監督のインタビューを読んだら、どうやら必ずしもセブのセリフ全てが監督の考えではないんだそうです。
ジャズに対する色々な面からの考え方を監督はストーリーの中に盛り込んでいるのですね。

ちなみに『セッション』でイかれた音楽指導者を熱演したJ・K・シモンズも本作にちょい役で登場しています。
す、すいません予告では全然気づかなかった・・・!
本編に出て来た瞬間「え?フレッチャー先生じゃん!」とプチ興奮しました(笑)
なんとなーく先生と似たようなキャラクターだったので、同じキャラなのかなと思いましたが、名前が違いましたね。

60年代のような雰囲気


エマやセブ、そのほかのキャラクターが来ている衣装ハリウッドの雰囲気、『ラ・ラ・ランド』の全てを構成する演出がどこか古めかしく感じませんか?
どうやら、60年代ロサンゼルスをイメージして作られているんだそうです。
華やかでコントラストの強い画面は、日本人なのにどこか懐かしさを感じました。

あえて60年代の雰囲気を演出することによって、あの頃はよかったよね、今の時代じゃ夢も抱けないよね、というような皮肉も含まれているのかなあと思いました。

また劇中で描かれる、渋滞の高速道路、暖かな気候、天文台でのデートシーンなどはロサンゼルスあるあるらしく、そこを知っている人たちにとっては馴染みのある表現なんだそうです。
ロサンゼルス行ってみたいですね〜

サントラは買うべき!


ミュージカル映画かと言われると首をひねるところがありますが、音楽は素敵なものばかり。
アカデミー賞で主題歌賞を獲った『City of Star』は本当にいい曲ですね。切ないメロディーと歌詞が耳に沁み込みます。

決して曲は多くありませんが、歌詞がどれも素晴らしい。
特に私の中で印象に残った曲が、本編後半でエマが歌う『Audition (The Fools Who Dream)』
オーディションで、パリに住む叔母の思い出をエマが歌うのですが、エマの切羽詰まったような歌声がとても印象的でした。


Here’s to the ones who dream
Foolish as they may seem
Here’s to the hearts that ache
Here’s to the mess we make

(どうか乾杯を 夢追い人に
他人から見たら愚か者にみえても
どうか乾杯を 傷ついた心に
どうか乾杯を 私たちの失敗に)


特にここの歌詞が好きで、いつまでも覚えています。
後半の字幕があやふやなのですが、忘れっぽい私が数日経ってもこれだけ覚えているなんて相当ですよ(笑)

良かった点


・前向きになれる気持ちと、切なさを抱かせる演出
・曲が素敵
・色あざやかな衣装や、レトロな雰囲気


演出の素晴らしさに限りますね。
ロマンチックの中に物悲しさが残る。

悪かった点


・時々突然現れるロマンチックすぎる演出

人を引き込む演出がとても良かったけど、ロマンチックがダメって人は途中で苦しくなるかもしれないですね〜
突然空を飛んだり、夢の世界が始まったりするし、終始カメラワークや音楽、美術の演出が凝ってますが、いきなりその凝り具合が爆発するシーンがあります。
あくまでお伽話なんだよという演出が逆にやりすぎでは?と感じなくもないですね。

まとめ


夢物語のような世界観全開でしたが、守りに入るな!もっと攻めろ!そんなメッセージもあるような気がします。

保守的な時代になりつつある今だからこそ、世界中の人々の心を揺さぶったのでしょうね。
夢追い人に乾杯!


Ost: La La Land
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Original Soundtrack
Interscope Records (2016-12-09)
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