観客を引きずり込む映像と音の演出が素晴らしい!緊迫の脱出劇を描いた『ダンケルク』

クリストファー・ノーラン監督最新作の『ダンケルク』
早速、公開初日に観賞してきました!

史実の戦争映画ということで、これは気合を入れて鑑賞したいところです!



ダンケルク(Dunkirk)


監督クリストファー・ノーラン
脚本クリストファー・ノーラン
出演者フィン・ホワイトヘッド
トム・グリン=カーニー
ジャック・ロウデン
ハリー・スタイルズ
アナイリン・バーナード
ジェームズ・ダーシー
バリー・コーガン
ケネス・ブラナー
公開2017年
製作国イギリス
アメリカ合衆国
フランス
オランダ


あらすじ



フランス北端ダンケルクに追い詰められた英仏連合軍40万人の兵士。
背後は海。
陸・空からは敵――そんな逃げ場なしの状況でも、生き抜くことを諦めないトミー(フィオン・ホワイトヘッド)とその仲間(ハリー・スタイルズ)ら、若き兵士たち。

一方、母国イギリスでは海を隔てた対岸の仲間を助けようと、民間船までもが動員された救出作戦が動き出そうとしていた。
民間の船長(マーク・ライランス)は息子らと共に危険を顧みずダンケルクへと向かう。
英空軍のパイロット(トム・ハーディー)も、数において形勢不利ながら、出撃。
こうして、命をかけた史上最大の救出作戦が始まった。
果たしてトミーと仲間たちは生き抜けるのか。
勇気ある人々の作戦の行方は!?(公式サイトより)


監督・脚本・製作を勤めるのは、巨匠クリストファー・ノーラン
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』から1年、今回は監督初の史実作品を製作しています。

私の中のクリストファー・ノーランというと、『インセプション』のイメージですね。
映像技術と、演出、音楽の使い方などに特徴があり、劇場で見た感動がいまでも記憶に残っています。
『ダンケルク』でも監督の手腕が光っていましたよ。

こだわりの演出が光る戦争映画


2時間あっという間でした。
戦争映画というと、重苦しくて冗長なイメージがあったんですよね。
上映時間は短くなくても、観終わった後はどっと疲れたり・・・
でも『ダンケルク』は重くもなく、ダラダラと話が展開されることもなく、気がついたら本編が終わりを迎えていました。
映像や音楽の演出の高さに加え、『レヴェナント:蘇えりし者』の冗長な部分をカットされて洗練されたような作品でした。

どんな風に映像や音楽を使うのか楽しみにしていましたが、観客を本編に引きずり込むような演出にあっぱれです。
緊迫感を駆り立てる演出がうますぎる。
ドキドキしたり、虚しいやるせない気持ちになったり、感極まったり、本編の中にいる兵士たちと気持ちがシンクロしていました。

物語に大きな起伏があるわけではありませんが、海・陸・空からの3視点からの場面転換があるので飽きずにみていられたのかもしれませんね。
それぞれの描かれる時間が違うの新鮮に感じましたし、最後に3つの視点が1つに繋がるクライマックスも胸が熱くなりました。

キャストは若手の俳優が多く起用されていました。
私はワン・ダイレクション詳しくないので、ハリー・スタイルズが最後の最後まであの若い兵士だと気付きませんでした(笑)
長編映画は初めてらしいですが、なかなかいい演技だったのではないでしょうか。
・・・まあトム・ハーディが全部持っていくんだけどな〜
かっこよすぎました。

四面楚歌のダンケルクからの脱出劇!


ストーリーは史実の通りに展開されていきます。
第二次世界大戦さなかの、1940年。
ダンケルク沖で戦うイギリスをはじめとする連合軍は、ドイツからの侵攻によって撤退を余儀されなくなります。
本作では、四面楚歌の状態からの脱出劇「ダイナモ作戦」を海・陸・空からの3視点によって描かれています。

海・陸・空の3視点から描く、というのも戦争映画においては斬新な手法ですよね。
さらに、それぞれの視点からクライマックスに向かうまでの時間も違うんです。
海からは1日、陸からは1週間、空からは1時間。
違う時間軸の中で物語が展開されているのも、真新しかったです。

クライマックスで海・陸・空それぞれがダンケルクに集まるシーンは、思わず涙が出そうになるくらい感極まるシーンでした。
音楽の使い方もいいんですよね〜
ボルトン海軍中佐を中心において、音楽が突然盛り上がる。
そして次のカットで、多くの民間船が海上に現れるんです。
それまでの苦しい時間を感じていたからこそ、ようやく一筋の希望がみえたシーンに日本人ながら感動しました。

また、観客が本編に入り込めるような演出の数々も印象的でした。
登場人物があまり喋らない。兵士たちの視点に合わせた緊迫感のあるカメラワーク。
ドラマティックな演出は抑え、極力観客がダンケルクのあの絶望的状況の中に没入できるように工夫されています。

客観的な視点にならないように作っているので、劇中でどんな状況に陥っているのか詳しく説明するシーンがないのも新鮮でした。
作戦会議や、軍のお偉いさん同士の会議も全くない。
どこかの建物に入って、椅子に座って、という戦争映画ではよくあるシーンがないんですよね。

普段予習はしないで作品を見る派ですが、本作においてはどんな出来事だったのかを簡単に予習しておくといいかもしれませんね。
特に位置関係は把握しておいたほうがいいかなと思いました。
一応本編の冒頭で、ドイツ軍が撒いているチラシで地図が出るんですけどね。

私はダンケルクの場所を把握していなかったので、チラシをみてそんなにドイツは攻め込んでいたのか!とようやく事の重大さに気付きました。
いや、これは単に私の知識不足なのか・・・?もしかして恥ずかしいこと言ってる?(笑)

全員が主役


本作の主役は、クレジット上は一兵士のトミーとなっています。
ですが、登場人物全員が主役のような描かれ方をしていました。
違う視点から描かれているからというのもあると思いますが、群集劇のようでもありましたね。

パトリオット・デイ』や『バーニング・オーシャン』のような、1人が突出した手腕を見せる史実作品も胸が熱くなりますが、多くの登場人物がそれぞれ活躍している姿が描かれるのもいいですよね。
きっとどの人にも、描ききれないストーリーがあるんだろうなと思わせるようなセリフやシーンがたくさんありました。
ドーソンや、帰還した兵士たちに毛布を配った盲目の老人など。

私が印象に残っている登場人物は、ジョージですね。
ジョージは船を持っている友人の手伝いをしていたところ、自らの意思でダンケルクへと向かいます。
ところが、ダンケルクにたどり着く前にとある事故で亡くなってしまいます。

一見、彼が死ぬ必要はあったのかな、と思ったんです。
しかも彼の最期は丁寧に、かつあっけない。
エンドロールでぼんやりしながら、兵士ではない、しかも若い青年が戦争によって死んでしまったというのは、一つのメッセージなのかなという考えにたどり着きました。

フランス人ということを隠して、トミーたちと行動していたギブソンも虚しい最期でしたね。
あれだけ懸命に逃げようとしていたから、自ら死を選んだわけではないですよね。
というか同じ連合軍でもあんなに敵対心持っているんですね。

本作での兵士たちは、国のために勇敢に戦ってやろう!という犠牲的なシーンはなく、ただただ必死に逃げようとしていたのも印象的でした。
あの姿も、反戦メッセージなんでしょうか。

誰も彼もが、故郷へ逃げようと必死になっていた姿は、衝撃を受けました。
飛び交う銃弾の中を逃げ、隠れ、海の中に飛び込んで、重油まみれになって・・・
戦争なんて、やっぱりやるもんじゃないですね。

戦争に関わった全ての人が英雄で、また被害者でもあるのかなと感じました。

積極的な若手の起用


今作では若手が大活躍。
主演のフィン・ホワイトヘッドハリー・スタイルズトム・グリン=カーニー今作でスクリーンデビュー
3人もの若手俳優が大作映画で、長編映画初出演というのも最近ではなかなかみないですよね。
いいですね、どんどん若い役者が活躍していってほしいですね!

と、応援したい気持ちがいっぱいですが、私の心をトム・ハーディが全部持っていってくれました!
はいかっこいい!はいずるい!

危機的状況をひっくり返す、勇敢で意志の強い男。
まあ、ああいう最強兵士が1人はいないと、映画としては盛り上がりに欠けますよね(笑)

クライマックスも、燃え上がる戦闘機を見つめながら佇むトムハ・・・
クーッ、かっこよすぎますよ兄さん。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や『レヴェナント』で、すっかりランボー的な意味での汚いイメージがついてましたが(笑)、今作はおいしい役でしたね〜
綺麗なトムハでした。

音楽の使い方が素晴らしい!


映像・音楽こそが、本作の最大の魅力ではないでしょうか。
基本的に映画は映画館で観てくれ派ですが、『ダンケルク』こそ絶対映画館で観てくれ!と心からオススメしたい作品です。

更に言えば、IMAXでの鑑賞をオススメ
IMAXでの鑑賞推奨に関しては、地域格差の問題から賛否両論あるようですね。
けれど、そもそもIMAXカメラで撮影されていますし、IMAXで観た方が何倍も楽しめると思うんですよね〜
難しい問題ですね。

本編が始まってすぐ、市街地で銃弾が飛び交います。
おさまらない銃弾の音と、逃げ回るイギリス兵のシーンで、一気に緊張感を高めてきます。
ダンケルク沖まで逃げてきたトミー。
そして鳴り響く時計の秒針
この秒針のカチコチという音は、劇中で何度も使われていましたね。
単調な音がどんどんこちらの緊張感を上げてきます。

秒針の音だけでなく、戦闘機の激しい銃弾、魚雷の爆破音、といった、自然に起こる音が360度響き渡るのはIMAXならではの良さかなと思います。
戦火の中で起きる音が強く、BGMは目立たない。
ですが、常に不安を感じる音程が流れ続けます。

そして、クライマックスで一気にBGMが大きくなり、急に視界がひらけたような、ドラマティックな瞬間へと切り替わるのです。
ここの音楽の使い方は憎いですよね〜
長く続いた苦しい気持ちから一気に解放されるような音階は、より大きな感動が生まれます。

没入感と緊迫感を高めるようなカメラワークの連続にも、感心しました。
最初はどんな風に話が進むんだろうと考える余裕があったのですが、そのうちそんな頭で考える余裕も無くなるんですよね。

リアルで緊迫感のある映像は、7割がIMAXカメラで撮影されたんだとか。
ノーラン監督は映画への没入感を高めたかったようで、カメラワークや視点にこだわりをもって撮影をしています。
沈没していく船や、迫る敵機、爆弾など、その場で起きている全ての出来事を把握するようなカメラワークは素晴らしかったですね。

CGではないからこそ、役者のよりリアルな表情や、自然の音が生まれるだろうし、より映画の現実感が伝わってきますね。

空中戦もすごかったですね。
実際にIMAXカメラを翼に取り付けて撮影したそうで、より空中での撃ち合いに臨場感が増しています。
いきなり銃弾が戦闘機に飛んでくるシーンが何度かあるのですが、何回みてもビクってなっちゃいました(笑)
音と視点がリアルです。

時々あわられる海の全景がまた美しいのがなんとも言えませんね。
美しい海の上では、壮絶な攻防戦が繰り広げられているんですからね。

良かった点


・映像と音の演出
・飽きさせない脚本


観客を本編の中に引きずり込むような、カメラワークと音。
そして、3つの視点でテンポよく進んていくストーリー。
観る側への効果をよく考えて作られています。

悪かった点


・特になし

久々に最初から最後まで夢中になって画面に食いついて観ちゃいました。

まとめ


こんなに作品に引き込まれた戦争映画は初めてかもしれません。
2時間あっという間。
まさに体感できる作品です。

戦争映画だから・・・と観るのを迷っている方は、ぜひ騙されたと思って観に行ってほしいです。
さらに言えば、IMAXでの鑑賞がオススメです。

ダンケルク (ハーパーBOOKS)
ジョシュア レヴィーン
ハーパーコリンズ・ ジャパン
売り上げランキング: 2,145

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Twitter で

YOU MIGHT ALSO LIKE

シェアしていただけると励みになります!

フォローはこちらから!

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)