これぞSF映画の原点!今の時代だからこそ、もう一度観る価値のある名作『ブレードランナー』

さて、いよいよ『ブレードランナー2049』の公開が迫ってきました。
現地や試写会ですでに鑑賞した人たちが口を揃えて、絶対に『ブレードランナー』を観てから観たほうが面白い!とおっしゃっていたので、なんとかギリギリ駆け込みで『ブレードランナー』を鑑賞しました。

もともとSF映画は大好き。『攻殻機動隊シリーズ』や『マトリックスシリーズ』、『マイノリティ・リポート』など名だたる名作の監督たちが本作に影響を受けたと聞いていたので、ずっと観たいと思っていたんです。
やっと観る機会ができたので、とてもワクワクしながら鑑賞しました。



ブレードランナー(Blade Runnner)


監督リドリー・スコット
脚本ハンプトン・ファンチャー
デヴィッド・ピープルズ
出演者ハリソン・フォード
ルトガー・ハウアー
ショーン・ヤング
公開1982年
製作国アメリカ合衆国




あらすじ



P・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作に、近未来を舞台に展開するアンドロイドたちの物語を描いたSFサスペンスで、その卓越した近未来描写により、多くのファンを持つカルト作品。

植民惑星から4体の人造人間=レプリカントが脱走した。彼らの捕獲を依頼された“ブレードランナー”デッカードは、地球に潜入したレプリカントたちを追うが・・・(allcinemaより)


1982年に公開されたSF映画フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作とした作品です。この原作小説もとても有名な作品ですよね。読んだことがないので、近いうちに読んでみようと思います。

監督は『エイリアン』『グラディエーター』など数々のSF作品をヒットさせてきたリドリー・スコット。近年ですと『オデッセイ』や『エイリアン:コヴェナント』でも監督を務めていますね。

主演を務めるのは若き日のハリソン・フォード。びっくりするくらい若い・・・というか、『スターウォーズシリーズ』『インディ・ジョーンズ』のイメージが強烈すぎて、今作の短髪ヘアスタイルはかなり若く感じました。

SF映画の源流に触れる!


絶対好きな世界観とわかっていたのですが、やっぱり退廃的な近未来の雰囲気ってたまらないですね。作品の世界観に心を鷲掴みにされました。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0』や『マトリックス』が私の中での退廃的近未来SF映画二大巨頭なので、二番煎じに感じてしまうかなと不安に思っていたのですが、そういう気持ちには全くならなかったです。面白かった!

ストーリーは、アンドロイドの存在意義解放、というSF映画で何度もみてきたテーマ性で、どうしても新鮮に感じることはできませんでした。でも、おお〜これが全ての始まり・・・という不思議な気持ちというか、神聖な気持ちになりながら本編を追っていけたのはそれはそれで興味深かったです。
『攻殻機動隊シリーズ』でいうと『イノセンス』に近いもの感じますね。という感想になってしまうのがもったいない・・・公開した時に観たかったなあ。

しかしハリソン・フォードびっくりするくらい若いですね!今の年老いてシワを刻んだ顔の方が好きですが(笑)
若い時はベビーフェイスで可愛らしいお顔してたんですね〜。ハン・ソロの時はもうちょっと老けてみえた気がするんですが、髪型のせいかな。
ロイ役のルドガー・ハウアーもよかったなあ。クライマックスのやり取りは、ハリソン・フォードを食ってしまいそうな勢いがありました。

今回は2007年に公開されたファイナルカット版を鑑賞。
冒頭のあのタイレル社の建物の美しさに、80年代ってこんなにCG技術すごかったっけ?と驚いていたのですが、どうなんでしょう。比較していないのでわからないのですが、ファイナルカットの公開時に映像は修正したりしているんでしょうね。
今みても十分すぎるほど美しいし、違和感のあるCGは少なかったですね。そもそもCGはあまり使われていないのかな。

リドリーが日本の歌舞伎町に大いに影響を受けたという世界観も面白かったです。強力わかもとをはじめとした日本語のネオンに、ときどき飛び交う日本語のガヤなど、日本人はわくわくする演出がいっぱい。
さすがに冒頭の「4つくれ」「2つで十分ですよ」のやりとりは調べないと意味がわかりませんでした(笑)なんで丼の映像はカットしてしまったんだろう?

字幕絶対なっちだろうな〜と思っていたのですが、どうやら違う方のようですね。この頃くらいの字幕は結構フィーリングで分かれ、みたいな表現が多くて、英語力と解釈力を試されている気がします(笑)

アンドロイドとは?人間とは?


そう遠くはない未来。人間によって作られたアンドロイドであるレプリカントは、奴隷として宇宙のあちこちでこき使われていました。
そんなレプリカントの中でも特に優秀なネクサス6型は、人間を超える能力を備えています。人間は自分たちの存在が脅かされないために、安全装置として4年だけの寿命を彼らに与えていました。
ネクサス6型のレプリカントたちは、自分たちの寿命を延ばしてもらうために地球へと潜入し、設計者に会いにいきます。一方、彼らのようなレプリカントを破壊する捜査官(ブレードランナー)であったデッカードは、潜入してきた4人のレプリカントを追っていきます。

人間とレプリカントの鬼ごっこをしつつ、SF映画の永遠のテーマであるアンドロイドの存在意義アンドロイドの自立性が描かれています。こういうテーマは何度みても面白い。食い入るようにみてしまいました。
作品のいたるところに想像する余地がある作り方もいいですね。鑑賞後に色々考えながら他の方の感想をみる時間が最高です。

ロイたちは確かにやり方は凶暴なところがありますが、彼らには彼らの理由があるんですよね。ただ生きたい、奴隷としてではなく人間と同じように暮らしたい、その思いが今回の事件のきっかけとなったわけです。

レプリカントたちが感情を芽生えさせていく様もとてもうまく描かれていました。
今回の事件のリーダーであるロイは、感情が芽生え始めていて、やがて人間に近いものになっていきます。プリスが死んでいるのをみて涙するシーンで、目から何かが溢れている、これが涙か、慟哭、と理解してくロイの一連の表情とかね、無意識にしているようなキスなど、一つ一つロイが感情を覚えて成長していく姿を短時間であんなに丁寧に描いているのに脱帽です。

タイレルの秘書であったレイチェルも、自分が何者なのかわからなくなってどん底に突き落とされてから、デッカードと交流することで感情が生まれて育っていく過程が描かれています。デッカードとのラブシーンとか、デッカードが強引なのに若干主従関係は感じますが(笑)、感情が溢れたような演出が良かったですね。

それらの流れを汲んで訪れる、デッカードとロイとの最終決戦は本当に素晴らしい。
最後の最後で、ロイは人間としての感情が生まれ、デッカードを助ける、という演出がまた虚しいですね。
悪いことをするために、あんなことをしたのではなく、心から解放を求めているある種の純粋さがまた辛い。
タイレルとの会話の中にもそのようなやりとりがありましたね。

人間とアンドロイドの共存、アンドロイドの自立、存在意義、今でも十分通じる深いテーマ性がありました。
いやあこれが30年以上前に作られていたなんて、すごいな〜

レプリカントと人間の対比が面白い


デッカードもレプリカントだ、という説もあるらしいですね。というかリドリー本人がそう言っちゃってるらしい・・・
まあ、デッカードも実はレプリカントでした〜オチでも面白いんだけど、デッカードが人間だったからこそ、ロイのあのクライマックスの姿が生きると思うので、デッカードは人間のままでいいです。

終始デッカードが弱々しいというか、情けない感じが、またレプリカントと人間の差を感じられます。最初にゾーラを殺した時のあの血の気の引いたような表情とか、お前それでもブレードランナーなのか!?と言いたくなりますが、ブレードランナーだったからこそレプリカントの恐ろしさを知っているのかもしれませんね。

ロイとの最終決戦は、レプリカントがいかに人間を超越した存在であるかというのが、ありありとわかりました。想像以上にデッカードがフルボッコにされて、というか遊ばれてて(笑)、最初はデッカードが死んで終わるのか?と思ってしまうほど絶望的でした。『ブレードランナー2049』の予告をみていなかったら、間違いなくバットエンドを想像したでしょう。

結局は死を悟ったロイが人間としての感情を芽生えさせ、デッカードを助けるわけですが、虚無感が漂いますね。
ロイもとても魅力的なキャラクター。凶暴だけど、悲しみや苦しみを背負っている。デッカードを助けた後、自分の人生を振り返るセリフは、切なくて胸にずっしりきますね。
そういやクライマックス、を持っているのに意味があるのはわかりますが、なんだろうあのシュールさ・・・

デッカード=人間派ですが、色々な解釈を考える余地がある演出は大賛成です!デッカードがユニコーンの夢をみたり、本編ラストにユニコーンの折り紙が置いてあったり。
夢にユニコーンが出てくるなんて、なんて幻想的なんだろう。後から足したシーンだったそうで、確かにそこだけ異様なロマンチックさがありますが、その異様さが逆にいい。

ハリソン・フォード若い!


30年前の作品ということで、さすがにハリソン・フォードも若い!
すごい可愛い顔してますよね!?よく考えたらハリソンってどちらかというと可愛らしい顔してるのかな?
インディ先生やってる時はもっとがっしりした顔つきだった気がするんですが、デッカードのビジュアルのせいかな?丸っこくて可愛い。
レイチェルにオラついてるときより、ヒイヒイ言いながらロイから逃げ回ってるときの表情が好きです。

劇中でシャワーを浴びるシーンで、ハリソンの上半身を拝めるのですが、独特な筋肉のつき方してますね。
キュッと上半身に集まった筋肉感・・・ん?すごいこのフォルム見覚えがある・・・あっ、横から見た上半身がすごくトム・クルーズに似てる!似てません?
正面はトムの方が胸筋があるかな。鑑賞中一瞬だけ思考が横にそれました(笑)

ロイ役のルトガー・ハウアーも印象的でした!
クライマックスは、ハリソンを食わんばかりの狂気さに圧倒されました。
ここ数年は活動されていないようですが、それでもコンスタントに色々な映画に出ているんですね。他の作品を観たことがないので、彼の代表作と言われている『ヒッチャー』『ナイトホークス』あたりを観てみたいと思います。

退廃的な近未来の映像が美しい


近未来なのに退廃的な雰囲気、という世界観を生み出したのはリドリー・スコットなんですか!?それとも原作者のフィリップ・K・ディックなのかな?なんにせよ天才的すぎます。あの世界を生み出す想像力が羨ましい。嫉妬しちゃいます。

私のいる現実の世界より暗くて汚い世界なのに、現実にはない発達した機能がある。そのギャップがたまらないです。汚い廃ビル群のなかで、車が空を飛んでいるとか。
あとは年月が経っているから感じられることなのですが、ブラウン管で写真の解析をしているのとか最高ですね。80年代の作品だからこそ生まれる近未来レトロ感が、私の中のときめきポイントをくすぐります。

『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0』の押井守監督が、以前なにかのインタビューで、「SF世界の中に、現実にある小道具があることで、より作品にリアリティが増す」というようなことをおっしゃっていたのですが、まさにそういった演出が本編には沢山あります。
それこそブラウン管はそうですし、オンボロ屋台や、現実にもある部屋や家具、お酒などなど、挙げればキリがないですね。押井監督の意見になるほどな〜と感心しながらみていました。

リドリーが大いに作品作りに影響されたという、新宿歌舞伎町の雰囲気漂う世界もいいですね。なんの意味もないんだろうな〜と思うのですが、日本語のネオンが目に入るたびにその言葉の意味を探ってしまいます。鳥口のなんちゃら〜とか、充実したなんちゃら〜とか、強力わかもととか(笑)

あと音楽も耳に残る独特なメロディのBGMが多かったですね。あの不安定なコードやリズムが、さらに退廃的近未来感を完璧なものにしてました。

良かった点


・作品の世界観
・映像美
・音楽


退廃的な近未来という舞台から、アンドロイドが人間を超えて一人歩きしていこうとするストーリーなど、コアなファンを鷲掴みにする世界観がたまりませんね。
2007年のファイナルカット版は、今でも通用するのではないかと思うくらい映像も美しかったです。

悪かった点


・特になし

この手の作品は好きすぎて、逆に悪いところを探すのが難しい。

まとめ


全ての始まりをようやく観れて感動しました〜
自分にとって、退廃的未来を舞台とした哲学的な作品は、スパイ映画に匹敵するくらい好きなジャンルだなと改めて認識しました。打ってて、ジャンルの温度差に自分で笑ってしまいましたが・・・(笑)

独特の世界観や、永遠に解決することのないであろう奥深いテーマ性など、好きな人を選びそうな作品ではありますが、とても完成度が高いのでぜひ一度は観ていただきたいSF映画です。

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